
2002年 四六判 P219 帯少折れ跡 カバー僅スレ
“日本思想史の方法的刷新
仁斎、徂徠、白石、篤胤ら近世日本の知識人が展開した「鬼神論」の世界。
人が「鬼神」を語るとはどういうことか。”(帯文)
“伊藤仁斎、山崎闇斎、荻生徂徠、新井白石、平田篤胤ら近世日本の知識人が展開した神と祭祀にかかわる言説「鬼神論」。それは神的存在の有無をめぐる議論を超えて、神と祭祀を意義づける言説への視点を生じさせた。それは祭祀を創設することと、創設するものへの視点である。あるいは祭祀の制度論的な視点。まさに「鬼神はそれについて語る人の言説に住む」のである。「鬼神論」の射程は日本の近代国家の創設、近代日本の国家神道から靖国問題にまで及ぶ。「鬼神論」はこのようになお新たな課題を提起し続けている。
本書は近世日本思想史の相貌を一変させた子安思想史学の原点であり、日本の近代を考えようする人の必読書である。”(カバー袖紹介文)
神・祖霊などを包括する語彙として儒教の書物の中にも見られる「鬼神」が、近世日本の思想家たちの間でどのように解釈され、扱われてきたか、その言説を辿る。
目次:
新版序 鬼神はどこに住むのか
1 鬼神の住処/2 鬼神は聖人の立てたもの/3 鬼神論と言説論的転回/4 鬼神の解釈的言説/5 鬼神言説化の光景/6 無鬼論的言説/7 有鬼論的言説/8 徂徠鬼神説と国家神道
旧版序
1 「鬼神論」の場面/2 「鬼神論」の位相/3 篤胤は国家「鬼神論」を透視する/4 「鬼神論」・儒家知識人の独白/5 「鬼神論」・解釈学的言説/6 「有鬼」と「無鬼」の言説
一 「鬼神」と「人情」
1 『新鬼神論』の発送/2 鬼神を尊むは人の情/3 仁斎と鬼神の概念/4 白石の『鬼神論』と篤胤/5 『新鬼神論』の意味/6 篤胤の幽冥界}
二 「有鬼」と「無鬼」と 鬼神と徂徠のアルケオロジー
1 孔子は鬼神を語らないか/2 孔子は三代の聖王にまさるか/3 鬼神と成人の創作/4 鬼神と祭祀共同体/5 有鬼論とその意味}
三 「陰陽の鬼神」と「祭祀の鬼神」
1 懐徳堂の無鬼論/2 朱子鬼神概念の錯雑/3 『中庸』鬼神章の連続・不連続/4 陰陽を外にして鬼神なし/5 仁斎の無鬼論/6 自然と祭祀の分離
四 朱子「鬼神論」の注解
1 白石と篤胤/2 儒家の言説としての「鬼神論」/3 「鬼神論」的言説の成立/4 朱子「鬼神論」の注解
五 「鬼神」を解釈する言説 朱子「鬼神論」の言説的構成
1 「鬼神論」という言説/2 鬼神、生死を知りうる「知」/3 鬼神、生死を語る言語/4 鬼神の自然化と自然の鬼神化/5 社会的言説としての「鬼神論」
六 「鬼神」と「理」 三宅尚斎の「祭祀来格説」をめぐって
1 朱子とその後継の言説のずれ/2 朱子言説の真訣をとらえるもの/3 廖子晦はいかに大鐘を打ったか/4 「我を以て主」とするの非/5 「理に根ざして日々に生ずるもの」/6 「祭祀来格説―朱子再解釈の言説/7 ��門における宗教的言説の形成
注
あとがき
初出一覧