1996年 A5判 P187 カバースレ、キズ、端少イタミ 本体表紙下端スレ、角ツブレ 地に薄くB印
“人はなぜグロテスクな写真を撮り続け、求め続けるのか。そもそも何がグロテスクな写真なのか。グロテスクと非グロテスクを分かつ境界線は存在するのか。前著「写真とフェティシズム」に続く"逸脱の写真"論。”(宣伝文)
目次:
序論 写真とグロテスク
I
覗き穴としての写真史、あるいは一つ眼の欲望
悪魔の発明―悪趣味としての写真
眠れる死者たち スタンレー・B・バーンズ編『スリーピング・ビューティー』
死というテキスト バーバラ・P・ノーフリート編『死を見つめる』
浮遊する死者たち 『SCENE』
II
悪魔のエレガンス バロン・アドルフ・ド・メイヤー『激情と憐れみ』
奇人たちのパレード 『ディア・ミスター・リプリー』
エイズ・エイジのジャンヌ・ダルク マドンナ写真集『SEX』
娼婦という“愛の生活” ロスヴィータ・ヘッケ『愛の生活』
二つの声、あるいは隠された欲望 ベッティナ・ランス、セルジュ・ブラムリー『シャンブル・クローズ』
“大きな女神たち”―ジル・ベルケを巡る断章 ジル・ベルケ
「女」という生き物 荒木経惟『天使祭』
欲望の劇場 金子國義『Vamp[ヴァンプ]放蕩娘』
III
皮膜の女たち ヘルムート・ニュートン『ポラ・ウーマン』
夜/死/エロス ヘルムート・ニュートン『夜のアルシーヴ』
性と家族 ロバート・メイプルソープ/ナン・ゴールディン
コック・サッカーの憂鬱 『ロバート・メイプルソープ』
性の向こう側 ナン・ゴールディン『ジ・アザー・サイド』
ドラッグ/暴力/リズム・アンド・ブルース ラリー・クラーク『ティーン・エイジ・ラスト』
IV
少女のための少年ヌード入門
色つきのユートピア ピエール・エ・ジル
“幼年”への眼差し 牛腸茂雄/ベルナール・フォコン/サリー・マン
ベルナール・フォコンの光跡 ベルナール・フォコン
ヌーディストたちの自然 ジョック・スタージス『あの夏の最後の日』
神話の時代の終わり サリー・マン『イミディエイト・ファミリー』
V
「部分」あるいは空虚への固執 荒木経惟『エロトス』
アンリ・マッケローニ『とある女性の性器写真集成百枚、ただし、二千枚より厳選したる』
あとがき
初出一覧