1978年初版 A5判 P517 函背および角少イタミ、底部僅汚れ
神祇信仰の展開と日本浄土教の基調 第二巻
藤原氏の氏神・春日神社、氏寺・興福寺、多武峯の祖廟と藤原氏の関わり、やがて浄土教帰依に向かう歴史の動きなどについて考察する。
目次:
まえがき
【第一篇 藤原氏の氏神信仰】
第一章 藤原氏の氏神 {一 藤原氏の興起/二 鹿島・香取両宮の原始信仰/三 荒祭宮と物忌/四 藤原氏の氏神勧請}
第二章 春日神社の成立 {一 春日祭神四座/二 春日第一殿の鹿島神/三 春日第二殿の香取神/四 春日第三殿・第四殿の枚岡神}
第三章 藤原氏の氏神祭祀とその機能 {一 鹿島使の発遣/二 春日祭・春日詣と氏人の進退/三 大原野神社と吉田神社/四 春日明神信仰の自立}
第四章 鹿島・香取両宮の発展と藤原氏 {一 王朝の両宮崇敬/二 陸奥蝦夷経路と両宮/三 官府の祭神観/四 武家護持の神}
【第二篇 藤原氏の氏寺信仰】
第一章 氏寺としての興福寺 {一 縁起/二 仏像と堂塔/三 忌辰仏事}
第二章 藤原氏を背景として見た興福寺と平安新仏教 {一 学問寺としての興福寺と読書人の氏人/二 興福寺の義学と律令貴族藤原氏/三 最澄の宗教と興福寺/四 空海の宗教と興福寺/五 仏教の新方向と藤原氏の支持}
第三章 藤原氏諸一門の氏寺 {一 平安新仏教と氏人の信仰/二 怨霊の跳梁と東密・台密/三 摂ロクの台密帰依と造寺の目的/四 摂関家の菩提寺/五 追福の仏事}
第四章 興福寺の変貌と藤原氏 {一 学僧の変質と法相宗の本寺/二 学僧の遁世と法相宗・浄土教/三 堂衆の抬頭/四 荘園領主興福寺}
【第三篇 藤原氏の祖廟と本地垂迹説】
第一章 氏神と氏寺の神仏習合 {一 鹿島神宮寺と南都仏教/二 春日神社と興福寺の交渉/三 本地垂迹説の創造/四 神事と仏事の交流}
第二章 藤原氏の祖廟祭祀 {一 多武峯/二 安威山初葬説/三 多武峯の権現の誕生/四 多武峯の権現と天満天神}
【第四篇 氏人の浄土教帰依と氏族信仰の解体】
一 道長の念仏生活と叡山の浄土教/二 公家の遁世と浄土教/三 九品往生の教説と律令的身分体制/四 浄土教の純化と氏族の信仰/五 兼実の悲劇}