1995年 四六判 P205 帯付き 天時代シミ
“闇の女性像を覆す
魔女がほうきに乗って空を飛ぶ理由を、古代の太母信仰にまで遡り、従来の魔女論にない新しい視点から追及する魔女論、女性論”(帯文)
“魔女が空を飛ぶ理由を解明することは、魔女が人間、特に幼児を黒焼きにし、大鍋で煮て食べたという伝承や、ヒキガエルを魔女狩りの対象になっていたこと、また魔宴での乱交の理由説明になる。したがって、本書では、多くの魔女関係の書籍とはちがった視点で、魔女はなぜ空を飛ぶかに焦点をしぼり、図版・写真を豊富に入れて書き下ろした。”(帯裏紹介文)
目次:
I 空を飛ぶ魔女と愛の女神
{魔女と箒の柄と白鳥/牡山羊と魔女とアプロディテ/両性具有の太母像と鳥女神と白鳥/貝殻から生まれた愛《エロス》の女神/全裸の魔女表現をめぐって/魔女の「飛び軟膏」/「飛び軟膏」を塗っての飛行と性的エクスタシー/両性具有と空飛ぶ魔女}
II 空を飛ぶ魔女と翼をもつ太母
{空を飛ぶエロスとアプロディテ/アプロディテと牡山羊とパレドロス/翼をもつエオスと魔女/最初の魔女リリトと女上位/飛翔・上昇と「カームテフ」/ディアナ(アルテミス)と魔女/ディアナ崇拝と魔女と「魔女の鉄槌」/「夜行する女《ストリガ》」と魔女/牡山羊・五月柱《メイポール》・男根《ファロス》/空を飛ぶ猫・フクロウ・魔女/愛と死と天使と魔女}
III 空を飛ぶ魔女の箒と太母象徴
{箒の柄にかかわる結婚習俗/産婆と魔女/女だけの祭りとヴァルプルギスの夜/ヘカテと「子宮の蛙」/魔女とヒキガエル/日本の縄文時代の「半人半蛙」表現/蓮の中の蛙と聖母マリアとキリスト/ヘカテと魔女と境界(垣)/「垣を飛び越える女」としての魔女}
IV 子供を殺して食べる魔女をめぐって
{嬰児殺しと子供を焼き煮て食べること/ディオニューソスの死と再生/飛び軟膏と変容の容器と女性/人を殺し再生させる「魔女」メディア/子を殺す母と子を復活させる母/八つ裂きにしたディオニューソスを喰う女たち/十字架の死と空を飛ぶ魔女}
あとがき
引用図版・写真出典一覧