1981年初版 四六判 P270+索引P8 帯破れ補修跡、背少ヤケ カバー上端イタミ 小口時代シミ
目次:
第一章 日本壁の特徴
一 壁の機能/二 壁の種類 {1 耐力壁と非耐力壁/2 材料・構造による分類}
第二章 古墳時代までの壁の概観
一 建築物の概要/二 校倉の構造/三 金属器に描かれた家屋/四 家形埴輪の造型/五 文献に現れた壁
第三章 古代の左官工事
一 左官工事の始まり/二 法隆寺の土壁/三 高松塚古墳の漆喰/四 壁画技法について/五 文献による土壁の復原/六 遺構と文献の対比/七 土壁が用いられた建築物/八 左官工事の職制/九 左官工事の古代的性格
第四章 中世の左官工事
一 時代の概要/二 寝殿造の壁/三 絵巻物に見る土壁/四 藤原頼長の文倉/五 『春日験記』の土蔵/六 文学作品に見る土壁/七 職制の変化―土工から壁塗へ/八 石炭の普及
第五章 近世塗籠式城郭の壁
一 左官工事の転機/二 中世の軍事施設と土壁/三 近世城郭の性格/四 天下人の天守―安土城と大阪城/五 総塗籠の技術的条件/六 姫路城と彦根城の工法/七 宣教師の見た白堊仕上げ
第六章 草庵茶室と数寄屋
一 張付から土壁へ―屋内壁の変化/二 土壁の意匠/三 京壁の発生/四 初期茶室の土壁 {1 妙喜庵待庵/2 竜光院密庵席}/五 桂離宮の土壁
第七章 近世左官工事の技術革新
一 近世の開幕/二 洛中洛外図に見る土壁の変化/三 大阪土と聚落土/四 石灰と貝灰/五 スサ《くさかんむり+切》と糊料/六 有色壁の普及
第八章 日本壁の普及と発展
一 日本橋完成へのプロセス/二 土蔵の盛行/三 数寄屋に見る土壁―玉林院茶室の場合/四 大津壁の発生/五 土壁普及の社会的背景―(その一)防火対策/六 土壁普及の社会的背景―(その二)奢侈禁止/七 島原角屋青貝の間の壁/八 伊豆長八の漆喰彫刻
第九章 日本壁の完成
一 工事システムの近世化/二 京都の組織―『旧豊田家文書』について/三 江戸の組織/四 幕末の静岡の組織/五 壁塗から左官へ/六 左官の語源についての検討
第十章 工具について
第十一章 近代技術への接点
一 左官職の特異性/二 近代への接点
付表
参考文献
あとがき
索引