1989年 14.3×22.1 P270 表紙クスミ、ヤケ、背破れ、裏表紙鉛筆日付消し跡
全270ページのうち特集193ページ。
目次:
【世紀末的魂と夢 5】ヴィーナスの変容(富士川義之)
【「女学生」の系譜 5】宙に揺れることば(本田和子)
【耳目抄 89】桜、桜、桜(竹西寛子)
【詩】
挽歌三章(中村稔)
都バス43系統『荒川土手→東京駅北口』(諏訪優)
左手日記例言(平出隆)
【うわさの遠近法 3】毒婦と演説(松山巖)
特集:エーコ ベストセラー『薔薇の名前』はいかにして生まれたか
【『薔薇の名前』】
プロローグ―『薔薇の名前』1〔メルクの老僧アドソが若き日に巻きこまれた事件の発端を記す〕(U・エーコ 訳:河島英昭)
第一日、一時課―『薔薇の名前』2〔僧院の麓に着くと、ウィリアムが鋭い推理の一端を窺わせる〕(U・エーコ 訳:河島英昭)
第三日、終課の後―『薔薇の名前』3〔ウベルティーノが修道士ドルチーノの事件をアドソに物語る〕(U・エーコ 訳:河島英昭)
『薔薇の名前』―ダイジェスト―(谷口勇)
【『薔薇の名前』をめぐって】
「バスカヴィルのウィリアム」考(村上陽一郎)
『薔薇の名前』の修道院(今野國雄)
『薔薇の名前』の仕掛け(河島英昭)
【『薔薇の名前』の背景】
インタヴュー 殺人者、修道院長、そして記号学者(U・エーコ 訳:細川哲士)
インタヴューの注にかえて(細川哲士)
【第二のベストセラー『フーコーの振り子』】
『フーコーの振り子』―ダイジェスト―(望月紀子)
振り子は揺れる、二つの懐疑の間を(竹山博英)
【『開かれた作品』】
開かれた作品の詩学(林和宏)
【『ミニマル日記』】
ノニータ “イタリア版『ロリータ』(U・エーコ 訳:望月紀子)
フランティ礼讃(U・エーコ 訳:古賀弘人)
【『物語の中の読者』】
物語の中の読者 『まさにパリらしいドラマ』をめぐって(U・エーコ 訳:篠原資明)
まさにパリらしいドラマ(A・アレー 訳:篠原資明)
【エーコと中世】迷宮のなかの政治 『薔薇の名前』とモロ事件(伊藤公雄)
【エーコの著作概説】
エーコによるエーコ 作品の文化的自序伝の試み(古賀弘人)
エーコ著作年表
コラム 世界の文学
アメリカ 「南部」は狂気と創作のメッカです―バリー・ハナ(越川芳明)/フランス アドリアナ、聖処女の肖像 オカルト小説のリアリズム(芳川泰久)/イギリス 詩人の晩年 もうひとりのラーキン(加藤光也)/ドイツ オルフォイスの謎 テーヴェライト『王たちの書』(河野みどり)/ソ連・東欧 「パリサンドル」 あるいは歴史、神話そしてテクストのはざまで(貝澤哉)/ラテンアメリカ オナニズム賛歌 ペリ=ロシ『愛の孤独者』(野谷文昭)/中国 日米関係としての中国文学―林語堂(藤井省三)/幻想 恐怖小説作法 T・E・D・クライン(大瀧啓裕)/SF 帰ってきたグリマング P・K・ディックのジュヴナイル(巽孝之)
【今月の作品】(吉増剛造)
【われ発見せり】コクトー生誕百年(山上昌子)