昭和61年初版 菊判 P599 函口僅縛り跡、背イタミ 本体ビニールカバー・月報付
目次:
序章 新しい日本像の模索
一 国と島の日本像(谷川健一) {一 国と島の概念/二 国つ神・国つ罪の問題/三 朝廷による異族平定策/四 琉球王国における対外交流の状況/五 島国に由来する日本人の性格形成}
二 日本論の視座(網野善彦) {一 「日本民族」論の反省/二 「日本島国論」の虚構性/三 「稲作一元論」の克服/四 「単一民族」「単一国家」の虚像/四 支配、隷属、賤視の諸形態/五 「場」と景観}
第一章 日本の民俗と自然条件(千葉徳爾)
一 自然と民俗―考察の前提―
二 外と内からみる日本人の自然環境と民俗
三 自然的諸条件下における民俗の展開
四 日本人と動物との交渉
第二章 日本の文化領域(大林太良)
一 文化領域とは何か
二 東日本と西日本
三 北日本と南日本
四 太平洋側と日本海側、沿海文化
五 残された問題
第三章 日本民族社会の形成と基層文化
一 基層的生活文化の構造(国分直一) {一 日本文化の自然的地理的条件/二 基層的生活文化の形成とその地域性/三 基層的生活文化の系譜}
二 稲作文化の多元性―赤米の民俗と儀礼―(坪井洋文) {一 昔話「赤米の悲劇」の問題/二 赤米の文化史/三 赤米の儀礼(1)―岡山県総社市新本/四 赤米の儀礼(2)―対馬島豆酘・佐護/五 赤米の儀礼(3)―大隅地方佐多町打詰/六 赤米の儀礼(4)―大隅地方内之浦町大浦/七 赤米の儀礼(5)―種子島/八 農耕文化研究の課題}
第四章 支配構造と民俗
一 天皇制のデザイン(上山春平) {一 律令制と「天皇」/二 養老律令と『日本書紀』における「天皇」/三 日本律令制の特質/四 天皇制と大嘗祭}
二 「支配」の民俗的基盤(宮田登) {一 王権と民俗文化/二 王権と時間/三 民間の「日和見王」/四 「日和見」の系譜}
第五章 「近代化」の思想と民俗(安丸良夫)
一 近世的民俗相の展開
二 不安の領域
三 「近代化」過程における抑圧と編成替え
第六章 言葉と文字の展開
一 日本語の系統(村山七郎) {一 日本語系統研究の前提/二 古代日本語/三 古代日本語の母音調和/四 朝鮮語と日本語/五 アルタイ系言語と日本語/六 台湾原住民言語と日本語/七 形態論からみた日本語の系統/八 日本語の系統―その結論}
二 日本の方言圏(徳川宗賢) {一 ことばの地域差/二 共通圏の形成/三 ことばの接触/四 方言周圏論と方言区画論}
三 日本文化における文字と記号(森浩一) {一 日本語の文字使用の特徴/二 弥生社会の漢字使用と記号文/三 仮名と倭字の発生/四 梵字と日本語の音韻整理/五 「アンニョンハシムニカ講座」}
第七章 自然と造形の調和―古墳造営にみる人為と自然―(森浩一)
一 箸墓古墳と出雲土師集団との関わり
二 古墳造営地とその変遷
月報:
座談会 日本文化論の再検討―学問的常識を組み替える―(網野善彦、佐々木高明、谷川健一)