1986年初版 四六判 P185 カバー少スレ、少縛り跡、少背ヤケ、上端イタミ 天時代シミ多
インディアンの神話に登場するトリックスター、ギリシャ神話のヘルメス、宮廷道化、サーカスのクラウン、喜劇役者など、古代から近現代にいたるまでのさまざまな“道化”の在り様を挙げながら、シャーマン、秩序の反逆者、英雄……といった社会の中での象徴的な意味を探る。
目次:
G.とH.のために
図版目次
1 インディアン神話群の“いたずら者《シエルム》”
2 いたずら者の二重性―文化英雄と反逆者
3 ヘルメース―クラウン的なものの一つの具現《ヒポスターゼ》
4 涜神のパロディと異端のクラウン―阿呆祭と、ご機嫌仲間
5 中世におけるクラウン的諸傾向
6 クラウン―境界を超える者
7 世界劇場の人物としてのクラウン
8 クラウン的なものの類型学
9 喜劇《コンメディア》―クラウン的なものにくり返される諸要素
10 変種あれこれ―宮廷フールとその組合せ
11 現代への転換
12 文学と美術にみるクラウン像
13 クラウンとサーカス
14 クラウン・コミックの文化的装い
15 クラウン的なもののドラマトゥルギー
16 コミックと笑いのさまざまな形とモティーフ
17 メランコリーと防衛
18 浄化としての、コントラストの強調
19 クラウン的なものの実存主義的特徴
20 アウトサイダーの聖痕《スティグマ》
21 芸術家《キュンストラー》クラウン―出現の形而上学
22 クラウン芸の〈るーる〉
23 現代におけるクラウンの役割について
24 テクノロジー世界におけるクラウンの二重性
25 つまずくことの幸福について
26 可能性の王国へ
訳注
〈あとがき〉にかえて