2002年初版 P205 帯端僅破れ カバー背ヤケ 小口少汚れ
“古くより現代に伝わる妖怪話の数々。絵本、版本、錦絵などにも描かれ、子々孫々、私たちの近くにいる 妖怪たちは、なぜ闇夜に生き残り続けたのか?畏怖の対象として、また愛らしい友達として跳梁跋扈を繰り返す彼らの正体とは?我々の祖先とは、いかに折り合いをつけてきたのか?多数の貴重な図版を示しながら、日本人と妖怪の“交流”を浮き彫りにする”(カバー紹介文)
目次:
プロローグ 今、もののけと人間の新たな関係が始まる―知られざる11種の妖怪が出現した
{“新種”の化物が出たあ!/新しい妖怪11体はどこから来たのか/闇夜から這い出た妖怪たちを大紹介}
1 もののけはいつ、何のために出てくるのか―あなたのそばで息を潜めている妖怪たちの影を追う
{妖怪はこうして誕生する/最古の百鬼夜行絵巻の謎/妖怪行列の参加者が変わっていく/捨てられた器物には“付喪神”が宿る/巨大蜘蛛らと闘った平安の武将/妖怪の身元調査に欠かせない資料/百鬼夜行絵巻が数多く残る事情/江戸中期に作られた“妖怪図鑑”/妖怪はなぜ、江戸期に成長したのか/お人好しの妖怪と人間の“友情”/少年を悩ませ、結婚もした江戸の妖怪/写本が出回る妖怪の世界/今、妖怪は暴れ回る機を伺っている}
2 江戸、明治、現代…彼らは何をし、何を求めたか―妖怪天国ニッポンと化物たちが今日も跳梁跋扈する
{あの町営住宅の怪現象も化物の悪戯か/明治時代の百物語の怪談風景/人々は本当に妖怪を見たのか/明治の新聞は、妖怪記事で大賑わい/江戸期の旅人が見聞きした百の化物語/様々な百物語に現れた多数の妖怪たち/あまりに奇奇怪怪な稲生物怪録とは/地方の妖怪はこうして今に姿を伝える/文明開化の波は異界をどう変えたか/メディアの発達は、妖怪を闇世界に追いやった}
3 河童、天狗、鬼、狸、狐―人をもてあそび、恐怖に陥れる異界の巨人たちの正体
{全国に出没する妖怪世界の巨人たち/河童は人間にとても近い存在/河童の姿かたちは、千変万化/河童は人間の味方か、敵か…/天狗は崇め恐れられる山の精霊か/天狗と暮らした少年の驚くべき証言/明治期、鬼のミイラが世間を騒がす/アフリカのコンゴから鬼のミイラが…/新聞報道されたひょうきん狸の事件簿/怨念荒れ狂う、化け狐の恐怖事件簿}
4 彼らは果たして敵か味方か―危機に現れ、人を導く“予言獣”たちの事件簿
{30cmの角を持つ牛鬼に会う/各地に残る牛鬼伝説の怪/新聞を賑わせた雷獣騒動の真相/様々な姿の雷獣が空から落ちてきた/人の顔をした牛の正体/世界の終焉を予言したアマビコの謎/船幽霊や海坊主は、漁村の守り神か/山の怪と海の怪の見逃せない関係/山童の正体は、陸に上がった河童か/妖怪と会った人に村の命運が託される/傑作事件簿―化物の結婚}
5 畏怖の存在から友達へ―目の前にヌッと出る妖怪に心を許していいのか
{畏怖の存在から友達へ/キャラクター化した妖怪たちの憂うつ/なぜ江戸っ子は妖怪双六に惹かれたのか/見て楽しむ刷物、相馬内裏と化物提灯/黄表紙に描かれた大人のための楽しい妖怪/異界は人間社会を映しだす鏡/人の情欲がゆく、かなり過激な百鬼夜行/遂に娯楽が妖怪を生みだした/魂のないものまでが妖怪にされ始めた/妖怪は小物に化け、人の体に貼りついた/己の衣服にまで化物を呼び込んだ/からくり的で妖怪を生み出せ/ギャンブルの世界にも妖怪が出現}