1991初版　四六判　P234　帯汚れ、少イタミ　カバー少イタミ　裏遊び紙少ラベル剥がし跡

“熊野は、古くから聖地とあがめられとくに平安末期からはくりかえし熊野詣が行なわれた。本書は、この熊野に寄せる人びとの想いと、弁慶や道成寺などの伝承の産まれる背景を、『平家物語』や御伽草子等の説話文学を通して描く。”（帯文）

目次：
一　熊野の説話文学
　はじめ／酒泉郷／菩薩となった道祖神／熊野の御本地／信仰の功徳／『源平盛衰記』の熊野／『太平記』の道行き／牟婁の長者／小栗判官／無住禅師の『沙石集』／『一遍聖絵』の熊野／狩人の斎いた神／『梁塵秘抄』／俗謡の世界／『古事談』・熊野の験者たち／八咫烏伝承／信仰の川／初期皇室の熊野詣／熊野信仰の原形

二　『平家物語』の熊野
　清盛の熊野詣／鬼界が島の流人／重盛・維盛の熊野詣／文覚荒行／鶏合せ／湯浅党

三　道成寺縁起と清姫絵巻
　牟婁の悪女／清姫の先行説話／『賢学物語』／「道成寺縁起絵巻」／真砂の庄司／道成寺の釣鐘／清姫縁起／清姫のねじ木／「蛇性の婬」

四　熊野信仰と「鉄人」の伝説

五　弁慶伝承の成長
　弁慶の誕生／『弁慶物語』／弁慶出生説話／地方資料／弁慶と鍛冶／安宅の関／弁慶の遺物／江戸随筆と弁慶

六　出雲路の弁慶
　出雲の弁慶出生譚／「弁慶生縁」／「弁慶之由来」／長見の里／弁慶島

七　武蔵坊弁慶資料総覧
　説話・謡曲・浄瑠璃／江戸随筆／弁慶関係の主な著書／南方熊楠・柳田国男の弁慶論考／弁慶関係の主の論文／地方資料／その他の主な資料／小説

あとがき