昭和41年　B６判　ソフトカバー　P261　背ヤケ、少イタミ　小口シミ汚れ

“我々日本人の国民生活を考える時、そこには、水稲耕作なるものが常にその中核をなしているがその前代には、想像し難い長い間の狩猟漁撈時代が存在したということは今ここに論ずるまでもないことである。”（まえがきより）

目次：
第一章　概説
第二章　山の神と狩猟儀礼　｛一　山陰地方／二　九州地方／三　大和地方／四　美濃地方／五　長野県遠野地方とその付近／六　福島県檜枝岐／七　シャチ神の祭／八　常陸高岡村／九　北越東北のマタギ／一〇　アイヌの熊祭／一一　アイヌの熊祭と本土の狩猟儀礼｝
第三章　アイヌの信仰　｛一　アニミズム／二　狩りの予祝祭／三　シャチ｝
第四章　神道と原始狩猟儀礼　｛一　神々の信仰とアニミズム／二　祝詞の精神とその意義｝
第五章　出血供養の痕跡　｛一　赤い幟と赤飯など／二　小豆の入った赤い餅／三　赤く塗る風習／四　血の呪術｝
第六章　田の神と稲作儀礼　｛一　田の神の祭／二　大和朝廷と稲作儀礼｝
第七章　焼畑と常民の主食　｛一　稲作に関する問題点／二　焼畑耕作の残留／三　常民の主食｝
第八章　仏教と原始信仰　｛一　仏教の受入れ方／二　聖地巡礼回行の風習について｝
第九章　火の神信仰　｛一　古典の火の神／二　民間信仰に於ける火の神／三　アイヌの火の神／四　阿蘇の霜宮の農業神事／五　囲炉裡の座席の問題｝
第一〇章　現行の神事と狩猟儀礼　｛一　鬼面／二　獅子頭／三　頭屋制と送り神の風習｝
第一一章　巫女　｛一　隠岐の注連行事／二　東北のイタコ／三　沖縄およびアイヌの巫女／四　大和朝廷と巫女｝
第一二章　化身、権化と妖怪　｛一　化身と権化／二　動物の化身と妖怪変化／三　零落した狐狸｝
第一三章　サエの神、道祖神と道饗祭　｛一　サエの神と道祖神／二　道饗祭｝
第一四章　歳神とその祭祀　｛一　正月の餅つき／二　おうつごもりと正月飾り／三　大田市大田町のカリヤ／四　歳神と掛鯛／五　正月の門付け／六　初山入り／七　歳神の意義／八　アイヌの正月行事｝
第一五章　葬送と祖霊神　｛一　出雲の葬送を中心とした本土の葬送儀礼／二　アイヌ葬法／三　本土とアイヌの葬法の共通性／四　沖縄、奄美の葬法／五　原始的祖霊｝
第一六章　民家の祖型　｛一　古い民家の間取／二　左勝手と右勝手の民家／三　川上を上座とする風習について／四　民家の祖型｝
第一七章　屋敷神　｛一　屋敷神とその祭神／二　祭地／三　憑代／四　祭祀の方法／五　屋敷神の本質／六　社寺の屋敷神／七　屋敷神の祖型｝
第一八章　垣内《かいと》
第一九章　荒神大元神と龍蛇信仰　｛一　荒神信仰／二　荒神神楽／三　石見の大元神／四　大元神楽／五　荒神、大元神の信仰の起源｝
第二〇章　憑きもの思想の源流　｛一　憑きもの思想と信仰／二　アイヌの憑神／三　憑依思想の否定／四　山陰の狐もち思想／五　寺請制度と真宗の教線の拡大／六　宗派の対立と憑きもの思想｝
第二一章　結語　｛一　原始狩猟儀礼／二　北東アジア文化圏｝