昭和53年初版 四六判 P297 帯背ヤケ、少イタミ 函少イタミ、少汚れ 本体元パライタミ
“古代生活史の宝庫《貝塚の謎》を探る
古代の貝塚は、単なるゴミ捨ての場所ではなかった。縄文人が捨てた幾種類にも及ぶ無数の貝殻・イノシシや犬の遺体が散在し、当時生活に関与したあらゆる遺物が埋れている。ときには神聖なものまでも含まれていた。”（帯文）
目次：
�機ヽ�塚とはなにか
はじめに／1 貝塚の種類とかたち ｛いろいろな貝塚／貝塚の大・小｝／2 貝塚にまつわる伝説や昔話 ｛巨人伝説／地名と人名｝／3 縄文時代以降の貝塚 ｛弥生時代／古墳時代以降／城館跡のなかの貝塚／現代の貝塚／分布と数｝／4 失われた海と貝塚 ｛消えた貝／用途の広かった貝塚の貝｝
�供ヽ�塚の研究史
1 外国の貝塚と日本 ｛デンマークの貝塚／スカンジナビア半島とバルト海／エルテベーレ文化／アメリカ大陸／韓国・中国／世界一の貝塚―日本｝／2 近代考古学の出発 ｛モースと大森貝塚／坪井正五郎／清野謙次／貝塚の破壊／日本人種論―アイヌ・コロボックル説／鳥居龍蔵／浜田耕作／山内清男／大山柏／酒詰仲男／直良信夫／後藤守一・和島誠一｝
�掘ヽ�塚の分布と海岸線
1 日本列島各地の貝塚 ｛北海道／東北・太平洋岸／関東地方／東海地方／近畿地方／山陽・四国地方／九州地方／日本海沿岸｝／2 地形の変化と貝塚 ｛日本海と太平洋岸／海進・海退と貝塚｝
�検ヽ�塚と動・植物
1 動物遺存体 ｛海のいろいろ／最も食べられた貝／外洋性の魚・内湾性の魚／淡水魚／爬虫類／両棲類／鳥類／クジラとイルカ／猪と鹿／サルも食べた｝／2 植物遺存体 ｛木の実あれこれ／山芋は主食だったか｝／3 貝塚人の食料獲得と技術 ｛採集の範囲／狩猟の季節｝
�后ヽ�塚の道具と装身具
1 道具とその製作技術 ｛日常用具／漁撈具／鹿角でつくったヤス先・銛頭／狩猟具｝／2 装身具 ｛貝製品／骨角牙製品／造型感覚はあったのか／貝輪／抜歯と研歯｝
�此ヽ�塚と埋葬
1 貝塚と人骨 ｛食人はあったのか｝／2 埋葬のいろいろ ｛屈葬と伸展層／甕棺葬／カメかぶりの人骨／一家心中？の家族／犬の埋葬｝
�察ヽ�塚と集落
1 貝塚と住居 ｛貝塚は当時の“むら”／馬蹄形と環状の貝塚｝／2 貝塚の特殊遺構と遺物 ｛中央広場／小さい竪穴｝／3 交易からみた貝塚 ｛海の幸と山の幸／石器づくり／塩づくりと土器／塩と保存食糧／現代の貝塚／近隣の貝塚｝
�次ヽ�塚とこれからの問題
1 貝塚の果してきた役割 ｛研究の成果と実際／自然科学界への貢献｝／2 貝塚の保存と活用 ｛遺跡の全面発掘／野外博物館と貝塚｝／3 歴史研究と貝塚 ｛貝塚は日本のポンペイ／貝塚を守ろう｝
付録
（1）貝塚調査研究年表／（2）貝塚研究参考文献／（3）地方別・貝塚研究参考文献
あとがき
著者紹介
