1995年初版 四六判 P215 帯背ヤケ、スレ 天僅時代シミ 末尾ページ上端僅濡れシミ
「水子供養のフォークロア
この世に生を受けることのなかった子供たち―
後悔の念と不安を抱えながら生きる女性たちに群がるメディアと宗教―
水子供養の実態を明らかにし、現代の家族、男女、信仰のありかたを問い直す」(帯文)
目次:
現代物語の解剖 {研究のはじまり/民俗学の研究として/現代の民俗学をめざして}
問題の所在 {宮田登の先見性/核家族への変化が問題/従来の研究}
例外としての近世水子供養 {こじつけられた水子供養史/水子絵馬/都市の水子供養}
間引き=再生論から人工中絶へ {堕胎の実際/間引きの実際/水子の再生/女性助産婦から男性医師へ}
人工中絶と水子供養 {中絶論議の政治史/中絶法の矛盾/医学の進歩が水子供養を招く/ゴメンナサイを超えることの困難/中絶天国論から水子供養へ/中絶/議論におけるオジサン雑誌の主導/女性雑誌の役割}
水子民俗の作られ方―週刊誌を素材として {伝承を投げかける週刊誌/水子産業と広告/写真家・心霊ライターと週刊誌/消費者ニーズとmのガタリ〜オジサン雑誌・若者雑誌・女性雑誌〜}
不思議谷の光景
供養のテキスト〜絵馬と観音〜 {水子とは/東京都港区増上寺の水子地蔵/冥界への手紙―絵馬/大阪府箕面市勝尾寺の水子観音/兵庫県宝塚市の中山寺華厳院/福岡県篠栗霊場の呑山観音/産婦人科医師と水子供養}
水子への意識をめぐって {供養する構成員/水子供養の創設/宗教者の水子供養に対する評価/タタリと人生相談}
商品としての水子 {水子供養の広告から/水子供養の著作および託宣活動/新宗教と水子霊・先祖霊}
賽の河原の現代〜死霊結婚・水子・口寄せ・流れ香具師〜 {賽の河原の風景/死霊結婚と水子地蔵/イタコからカミサマへ/流れテキ屋}
新しいフォークロアとして {週刊誌をとおしてみる水子供養史の構造}
あとがき