昭和49年 Ａ５判 P208 全体に経年によるヤケ、汚れ、時代シミ
目次：
鼎談 日本フォークロアの軌跡と展望（谷川健一、伊藤幹治、福田アジオ）
田代安定 明治期八重山群島調査のさきがけとして、植物学・人類学の見地から、南島の風土・基層文化を照射（三木健）
笹森儀助 「憂国の士であるが、其の言は聊か昔の錬金術師に似ている」と柳田国男の評した南島探検の先駆者（植松明石）
岩崎卓爾 石垣島測候所長として在島40余年。島を愛し、島に生き島に死した草創期南島研究の影の尽力者（谷真介）
鳥居龍蔵 足跡いたらざる所ない綿密な調査をもとに、生涯を満蒙研究に捧げた在野的人類学者・考古学者（小野隆祥）
柳田国男 日本フォークロアを常民の生活と魂の学門として体系化、世にいう柳田学として未踏の領域を拓く（牧田茂）
折口信夫 民俗学を国文学研究に導入、古代的思惟の世界を掘穿し、歌人釈迢空でも知られる異能の文学者（村井紀）
早川孝太郎 名著『花祭』によって、後世の民俗学・宗教学・民俗芸能研究の礎を築いた民俗学者（野口武徳）
筑土鈴寛 民俗学的方法と精神史的な認識方法との結合による独自の中世研究で知られる異貌のフォークロリスト（藤井貞和）
中山太郎 文献学的方法による歴史民俗学を提唱。民俗における奇習あるいは万葉集の民俗学的研究等で著名（阿部正路）
南方熊楠 米国、英国での長期の学問的放浪・独学を経て、博物誌的民俗学・考証学にいどんだ異端の民間学者（飯倉照平）
渋沢敬三 アチック・ミューゼアムを主宰し、民具その他の常民文化研究、日本民族学の育成発展に寄与 （宮本馨太郎）
金田一京助 アイヌの叙事詩、古語の宝庫「ユーカラ」の世界的権威。日本におけるアイヌ語学の創設者 （浅井亨）
知里真志保 北辺の民族アイヌの一人として総合アイヌ学の確立に生涯を捧げた天才的言語・人類学者（藤本英夫）
伊波普猷 「オモロ」の研究その他で南島の民俗学、言語学樹立に大きな足跡を遺した沖縄出身の民俗学者（新里金福）
喜舎場永�─ 崙蔚真佑粒悄廚箸靴謄侫�ークロアの宝庫八重山の歴史・民俗・古謡の研究に献身した気骨の民俗学者（牧野清）
石田英一郎 日本民俗学に対する最もよき理解と批判をもとに総合的人類学を提唱した文化人類学の高峯（松谷敏雄）
江戸時代のフォークロア―日本フォークロア前史について（吉田武三）
菅江真澄 みちのくや松前などの辺土を旅し「遊覧記」他百数十巻の旅日記を遺した江戸期の大旅行家・随筆家（石上玄一郎）
近藤富蔵 八丈島に流罪。生涯を島で過し、全36巻の大著「八丈実記」により孤島の民情・文化をつぶさに記録（浅沼良次）
日本フォークロア研究史年表（中島河太郎）
書評・桜井徳太郎著「沖縄のシャマニズム」（仲松弥秀）
連載 民族宗教の原像 経世済民への志向―（ゝ）の家 （梅原正紀）
伝統と現代 第２５号 特集：日本フォークロアの先駆者 伝統と現代社