1997年初版　四六判　P275　帯付　カバー少クスミ　本体小歪み　地シミ大（ページ内には及んでいません）

「天狗の原像とは何か。天狗はなぜ鳶として形象化され、さらには天皇の怨霊と同一視されるに至ったのか。歴史の闇を羽ばたく『異人』としての天狗を通して、日本人の心性を活写する！」（帯文）

目次：
第一章　天狗の原像　（中国の天狗と民間伝承の天狗倒し／木霊と山彦と天狗／『今昔物語集』の天狗観／山の神（天狗）の化身―狐・狸・熊・猪）／ほか）
第二章　天狗と山人と王権　（役小角と天狗と山伏／役小角と王権／土蜘蛛と荒ぶる神と天狗／八咫烏と烏天狗と猿田彦／鞍馬山の天狗と牛若と大海人皇子／鬼神・天狗・王権／ほか）
第三章　天狗と天皇　（『太平記』の「雲景未来記ノ事」と淡路廃帝／井上皇后・他戸皇太子の幽閉と怪死／崇徳天皇と保元の乱／「悪魔王ノ棟梁」後醍醐天皇／ほか）
第四章　天狗と怨霊と天皇　（安達天皇の誕生と怨霊／崇徳上皇の怨霊鎮めの神祠と天狗／竜宮に沈めた五部大乗経／「心の友」であった崇徳上皇と西行／白峯の大天狗相模坊と「八天狗」／ほか）
第五章　天狗と鬼　（羽黒修験の開祖能除太子／「日本第一の大天狗」の真済／絵と文の天狗と鬼のイメージ／「魔仏一如」の天狗観／台密系と東密系の天狗／天狗像の変遷／ほか）
第六章　天狗と木霊と天皇　（山の神の荒魂と和魂と天狗／神木を伐った祟り／葛城山の一言主と雄略天皇／山の神と鳴鏑矢と天狗／天狗の光る玉と蛍火・鬼火／ほか）

巻末に注、引用図版・写真出典一覧を収録