日本仏教曼荼羅 ベルナール・フランク 訳:仏蘭久淳子 藤原書店

2002年5刷 四六判 P414 帯端僅イタミ カバー少スレ、端少イタミ 天地小口僅汚れ 裏遊び紙剥がし跡

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2002年5刷 四六判 P414 帯端僅イタミ カバー少スレ、端少イタミ 天地小口僅汚れ 裏遊び紙剥がし跡

“ヨーロッパの東洋・日本学を刷新した最高権威初代コレージュ・ド・フランス日本学講座教授の精髄
日本仏教の諸尊が綾なす曼荼羅《パンテオン》
序・クロード・レヴィ=ストロース「著者は日本学を一新した、しかし彼の業蹟がもたらす教訓はその域を大きく越えるものである。 人文科学全般がそこからインスピレーションを得ることが出来るだろう。」

インドに発し中国を経ての長旅の果てに日本に辿り着いた仏教。その長旅を通してあらゆる思潮を身に纏った仏教は日本においていかに生きられたか? 日本各地を歩き回り独自に集めたお札等数多の図像を、仏教哲理の深い理解から読み解き、民衆仏教がもつ「表現の柔軟性と教義的正統性の融合」という姿を活写。”(帯文)

目次:
序文(クロード・レヴィ=ストロース)

【第一部】
第一章 仏教伝統の神々と日本の社会 ―帝釈天(インドラ)の場合
 {無常という普遍的大則の下にある仏教の神々/インド古来の神々およびインド外の各地の神々との関係/神々の王インドラ―古代の雷神、豊穣の神/日本各地に定着した帝釈天―柴又の例/裁きの神、帝釈天}

第二章 日本仏教パンテオンの大立者「毘沙門天」
 {仏教パンテオン・八百万の神・諸尊/仏教の宇宙観と神々の位置/四天王の身分・その姿・装束/日本に定着した四天王/平安京北方の守護から各方角の急所の守護へ/トバツの名の由来と日本の武将との関係/民衆による施財神・毘沙門信仰}

第三章 仏陀
 {運命の完熟の結果、王城を出る/覚醒《さとり》への道―出家、苦行、そして「中道」の選択/四大真理―苦の確認・苦の原因・苦の消滅・道/教えを説く如来―真理そのままの如く来たもの/仏教に内在する矛盾と諸宗派の発生/唯識派と龍樹の学派/社会状況の変化に伴う新しい欲求―大乗の菩薩/宇宙観の発展―宇宙には無数の世界が存在する/西方の清浄世界の阿弥陀仏、東方の浄瑠璃世界の薬師仏/法華経の革新的テーマ―釈迦仏の無量の命/第二の革新的テーマ―女性の成仏・全衆生の成仏/宝塔の出現―涅槃ずみの仏が釈尊の教えを称えること/仏教に入ったヴェーダの基底思想、マントラ(真言)/マントラの仏格化―真言は経典の全真理を包蔵する/諸尊の世界の配列―中央にあって遍く輝く大日如来}

第四章 麻耶―仏陀の母
 {仏典の中に語られた麻耶と釈尊のエピソード/ガンダーラ美術から日本に至るイコノグラフィの継続性/麻耶は子供を守る“聖母”として祭られなかったか?}

第五章 愛染明王―愛・怒・色
 {「正覚《さとり》」を妨害したマーラ(殺者)はすなわちカーマ(愛の神)/「すべてのものは本来清浄である」―理趣経の思想/愛染明王の形姿とその十種の徳/愛の縁結び―「神ならば出雲の神、仏ならば愛染明王」/愛染と藍染―染色業者の守護神となること}

第六章 妙見菩薩―北極星と北斗七星の神、北斎の守護神
 {中国古代思想にみえる天極と北斗七星の重要性/天頂の至上神を祭る古代の儀式並びに北辰燈のこと/道教の影響を受けた占術の流れ―八代妙見/インドの占星術とともに入った優れた視力の象徴、妙見/陰陽道の要素も入った複雑なイコノグラフィ/武家と妙見信仰、柳島妙見と北斎}

【第二部】
第七章 空《くう》と現身仏《げんしんぶつ》―日本の仏教伝統に見る形像の中の「礼拝尊」の存在について―
 {物質の中に神が存在するか?/まず史実の仏陀―その永遠化・絶対化/菩薩・明王・天とは何か?/信者が「礼拝祈願できる仏の方が現実の存在となった」/最初の仏像―サーンカーシャの奇蹟―代理の体/信者との“交流”が通じれば現れる現実―現身仏/「眼を点ずる」だけでは足りない開眼儀式/諸尊の現実は「相互関係的」また「断続的」らしいこと}

第八章 仏陀の二重真理―その単一性と複数性
 {「業」と「無我」を同時に説く矛盾―誰が輪廻転生するのか?/釈迦逝去のあと人々は仏陀の永続性を追求した/仏陀釈尊の本性は「超世間的」とする説の展開/「法身」という概念から発展した「汎(あまねく)仏陀」の思想/唯一の中央から無数に発散し再び元に吸収統一すること}

【第三部】
第九章 法隆寺金堂の勢至菩薩について ―西の間阿弥陀三尊造立の背景を考える―
 {収蔵庫に忘れ去られていた謎の古仏の調査/金堂内陣の三つの壇と仏師康勝/西の壇阿弥陀像と密教系の「定印」/両脇侍には適当な古様式のモデルがあった/西壇の幻の仏たち/顕真という僧と聖徳太子/『太子伝私記』 と「聖皇曼荼羅」に解釈されている金堂の本地垂迹思想/阿弥陀三尊造立の背景にはいくつかの重要な時代思潮が伺われる}

第十章 十六世紀ヨーロッパに誤訳により伝えられた十一面千手観音像
 {三十三間堂を訪れたフロイスの書簡とそのラテン語訳/十一面観音像とエフェソスのアルテミス神像}

第十一章 「お札」考
 {民衆の中に残る文化の伝言/ラフカディオ・ハーンが描き残した村や町に生きていた仏教/お札が呈示している神仏のイコノグラフィ/『法宝義林』 に初めて馬頭観音のお札がイコノグラフィとして使われた/消失した上野「不忍池弁天」のお札/坂上田村麻呂の観音信仰とハーンが語っていた閻魔王のお札/版木の摩滅/明治時代の神仏分離によって変わった「江の島弁才天」の像/確かに十八世紀末から同形で続いている「大黒天」のお札/本尊とは無関係に古様式を取り入れた「不動明王」のお札/ステレオタイプ化していくお札/寺や堂の地理的条件を表しているお札/仏像の縁起や像の特徴を表しているお札/信仰実践のエピソードを表しているお札/抜群に多い観音菩薩(高僧では弘法大師)


解説(ジャン=ノエル・ロベール)
訳者あとがき
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