
昭和42年8刷 A5判 P215+巻末図版P48+人名索引P20 カバー汚れ、スレ、背から端にかけてヤケ大、上端イタミ 天地小口ヤケ、時代シミ 両見返しヤケ
美術全般に関する要素や概念、美術史上の用語、人名など90の項目について、著者リード自身の見識、理論、感受性を交えて解説する。
“「芸術の意味」はRBC放送局の週刊誌「リスナー」に連載され、一九三一年、フェーバー・&・フェーバー社から刊行されたハーバート・リードの最初の造形芸術論である。著者としては、はじめて造形芸術の世界に体系的に触れたものだけに、造形芸術のさまざまな基本的な概念や、その発展とあらゆる主要なタイプにわたって丹念な検討を加えている。それは美学者の美学論でもなく、美術史家の史論でもない独自な形式の芸術論となっている。
リードの中心課題は芸術の創造の原理にあったと思われるが、本書が未開人の芸術から現代のシュルレアリスムや抽象芸術にまで九十の項目にわたり緻密な追求分析を行っていることは画期的な意味がある。リードの芸術の定義は造形芸術を対象とするようになって、理性を優位におく合理主義的なものから、より直観的な形態に訴える本能的な活動としての「造形の意志」を考えるようにとなっている。本質的にロマン主義者のリードはシュルレアリスムの運動に積極的に接近し、また一方では構成主義のなかに究極の美の現われを認め、またインダストリアル・デザインと機能的美学を推進するかたわら、新しい美術教育の理論を展開するといった多角的な活動をつづけているが、本書はその若い充実と多様な展開を準備した不滅の名著である。”(カバー裏紹介文)
目次:
I
{1 芸術の定義/2 美感/3 美の定義/4 芸術と美の区別/5 直観としての芸術/6 古典的な理想/7 画一的でない芸術/8 芸術と美学/9 形態と表現/10 黄金分割/11 幾何学的調和の限界/12 歪曲/13 パターン/14 個人的な要素/15 パターンの定義/16 形態の定義/17 絵をみるとき何が起るか/18 感情移入/19 感傷/20 形態の必要/21 内容/22 内容のない芸術・陶器/23 抽象芸術/24 ヒューマニスティックな芸術・肖像画/25 心理的な価値/26 芸術作品の諸要素 a.線 b.調子 c.色彩 d.形態/27 統一/28 構造上の素因}
II
{29 原始芸術/30 ブッシュマンの絵画/31 原始芸術の意義/32 有機的在芸術と幾何学的な芸術/33 有機的な原理と幾何学的な原理の混淆/34 芸術と宗教/35 芸術とヒューマニズム/36 農民芸術/37 国家的な芸術・エジプト/38 コプト芸術/39 ピラミッド/40 エジプト彫刻 a.先コロンビア芸術/41 歴史的様式の起源/42 中国の芸術/43 ペルシア芸術/44 ビザンティン芸術 a.ケルト芸術/45 キリスト教芸術への接近/46 物質的な力と非物質的な力/47 教会の影響/48 ゴシック芸術/49 イギリスの芸術/50 文芸復興期の芸術/51 イタリアの巨匠の素描/52 素描芸術/53 知的芸術/54 リアリズム/55 文字通りのリアリズムと描写的なリアズム/56 自然主義/57 リューベンス/58 エル・グレコ/59 バロックとロココ/60 バロックの定義/61 ロココの定義/62 ロココ芸術の本質/63 風景画/64 イギリスの伝統/65 ゲーンズボロ/66 ブレーク/67 ターナー/68 芸術と自然/69 コンスタブル/70 ドラクロワ/71 印象派の画家たち/72 ルノアール/73 73 セザンヌ/74 ヴァン·ゴッホ/75 ゴーガン/76 アンリ・ルソー/77 パブロ・ピカソ/78 シャガール/79 民族的な要因/80 抒情と象徴主義 a.表現主義/81 パウル・クレー a.マックス・エルンスト b.サルヴァドール·ダリ c.近代彫刻/82 ヘンリー・ムーア a.バーバラ・ヘップウァース}
III
{83 芸術家の立場/84 トルストイの立場/85 トルストイとウァーズウァース/86 別の立場―マティスの立場/87 伝達―感情と理解/88 芸術と社会/89 造形の意志/90 究極の価値}
訳者のノート
人名索引