
1971年 四六判 P329 函ヤケ、汚れ、角少イタミ 本体ビニールカバー角少イタミ 天地小口少ヤケ 月報付
責任編集:粟津則雄、清水徹
装幀:瀧口修造
“己れの思考と肉体を回収不能な代償として表現の極限へ疾走するアルトーの全像を顕らかにする。”
“アルトー、これほど現代思想のあらしのなかで、内密に神話的となってしまった人はいない。最も烈しい意志と動力…と、あれほど優しい眼差しの生命(人それをついに狂気と呼ぶ)とを生きた…彼の…努力が…うぶな緊張をもって羽ばたくのを知っている…不安な扉のようなアルトーのテクストを!(瀧口修造)”(目録チラシ宣伝文)
なお当初の予定では本書を皮切りに本巻11+別巻1冊の全集となるはずだったが、この第一巻を刊行したのみで中断してしまった。
目次:
序言(訳:清水徹)
【ローマ教皇への上奏文(訳:清水徹)】
【ダライラマへの上奏文(訳:清水徹)】
【ジャック・リヴィエールとの往復書簡(訳:粟津則雄)】
【冥府の臍(訳: 大岡信】
他の連中は……/思考する、……/おれといっしょに……/博士……/鳥のポールまたは恋の広場……/拝啓……/ある肉体の状態の描写/黒い詩人よ/立法議会議員殿への手紙/詩人たちは……/酸性の、不安にみちた……/血が噴き出す
【神経の秤 附・ある地獄日記の断片(訳:清水徹)
神経の秤/私信/第二の私信/第三の私信/ある地獄日記の断片
【初期詩篇(一九一三〜一九二三)(訳:大岡信・釜山健)】
神秘の船/死んだ詩人について/夢のなかで/夕べ/幽霊のでる宮殿/初雪/夕べの諧調/伝説の香気ゆたかな……/南極/振子時計/酒瓶とグラス/酒を飲むヴェルレーヌ/奧義伝授/恋歌(マドリガル)/海辺のバー/水族館/バー/アッシジの聖フランチェスコの詩/アレゴリー/潮/清寂/秘密の論理/黒い庭/黒い庭/辻公園/潮汐/海景/あなたを愛しているわけではない……/タベ/鳥肌/マンゴーの実/夕暮れの時がやってくるとき
【初期散文作品(訳:篠沢秀夫)】
新教育課程ノ一案/聖母被昇天/青い眼鏡の復習監督/心霊漫步/哀れな楽師の驚異の冒険/『偏見の流れに沿って』への序/モーリス・メーテルリンク
【空の双六《トリク・トラック》(訳:飯島耕一)】
ドイツのオルガン/雪/祈り/愛/罠/ロマンス/オルガンと硫酸/月
【ビルボケ(訳:豊崎光一)】
雑誌が十分の数だけない、……/恍惚/夜の祭/われわれは稀にしか、……/ランボーと現代作家たち/精神の画家/火の河/音楽家/あばら家/水準/小作家/コクトーとアルフレッド・ポワザ
註
解題(清水徹)