2004年 四六判 P348 帯およびカバー背僅汚れ カバー上端少イタミ
“「詩の両岸」を求める複眼の思想。
アンビバレンツの中に自由を探せ!
日本とフランス、江戸と現代、善と悪……”(帯文)
目次:
序に代えて ―詩の左岸 歌の右岸
【わが愛する詩人たち】
近代の諧謔 ―詩人西脇順三郎に近づく一つのヒント
西脇の「渡し場にしゃがむ女の淋しき」と春信の浮世絵
頭の痛くならない散文
森乾の『父・金子光晴伝』
金子光晴と定型詩の、意外につよい結びつき
節目節目の朔太郎
そもそもの初めは萩原朔太郎 ―『伊藤信吉著作集』
戦後まもなくの二十代の日々 ―大岡信と
吉岡実の思い出 ―詩集『薬玉』のこと
無の光芒放つ後期の詩 鮎川信夫論
戦後詩の英雄たちが ―田村隆一と
安藤元雄の詩を読み返してのノート
生涯恋うる人 井坂洋子『永瀬清子』
『裸の王様』の頃の開高健と牧羊子
個を超える詩 ―佐岐えりぬ詩集『れくいえむ れくいえむ』
荒川洋治 ―隙だらけの武芸者に賭ける
これからの詩の担い手を、二人だけあげると ―宋敏鎬と小池昌代
中原中也はダダではないらしいこと
【忘れ得ぬ編集者・出版人】
伊達得夫のこと
清水康雄のこと
安原顕のこと
【江戸の詩からの大河とフランス詩の大河】
ひでり野からの年月 ―佐藤鬼房の句
超現実の言魚《げんぎょ》世界 ―大阪に俳人あり、岡井省二
秋山巳之流句集『萬歳』 ―朱楽菅江は和歌を俳諧化したが
笑顔・種村季弘素描 ―其角は西鶴よりも二十も年下だったが
芭蕉と其角とは本当はどんな師弟だったのか
其角と芭蕉の深い因縁
大坂の文化的社交人、木村蒹葭堂とは誰か ―中村真一郎の『木村蒹葭堂のサロン』
詩人 大田南畝をそぞろ歩きする ―池澤一郎の『江戸文人論』
如亭の庭瀬、私の庭瀬
二十世紀の詩の方角を占ったアポリネールの生涯
血をインクにして空に刻んだ詩人たち ―二〇年代半ばのフランス詩
ソルグ川の詩人、ルネ・シャール
詩人は一生、徒弟の身分にとどまる
金子光晴とルネ・シャールを比較する
遅れて来たバルザック読みの弁
悪の魅力 ―バルザック小説の登場人物、悪党ヴォートランと詩人リュシアン
ボードレールとバルザックはどのような関係にあるのかの考察
バルザック『人間喜劇』のなかの詩
ジッグ踊りを踊ろうよ ―ヴェルレーヌとランボーと金子光晴
詩と「別れ」得るか
あとがき