1986年 四六判 P276 帯・カバー少汚れ、背から端にかけて少ヤケ 天地小口時代シミ
“今、イエスの方舟の責任者(と全会員))が、渾身の力をこめて、事件後はじめて、その真実の姿を明かす!
なぜ方舟の漂流は、激しい外部の圧力を受けながら、内部崩壊もせず無事、着岸する ことができたのか?
なぜ、女性たちは「方舟」によって解放されたのか? どのように集団は形成され、その支えている思想の核は何か?……”(帯文)
目次:
【PART1 父母を離れて】
1 親の原像
{生い立ち/両親/母親からうけた女性観/忘れられない父親の記憶/母親の愛はエゴか?/離婚/母親の死}
2 放浪
{丁稚奉公のころ/陸軍工廠を志願/くりかえす家出と転職/“一日坊主”/終戦へ}
3 宗教との出会い
{教会との出会い/生長の家を知る/キリスト教と生長の家をいっしょにして開いた宗教}
【PART2 イエスの方舟事件】
1 初期形成のころ
{村岡太三郎さんとの出会い/大阪聖書研究会/“出大阪記”の方舟の初期メンバー}
2 事件の発端
{最初の東京生活/東京の会員第一号、第二号/このとき、紛争のタネは描かれた/二女・喜久代と西村幸男ら共同生活に加わる/教会離脱の第一号}
3 避難
{「イエスの方舟」の看板かかげる ―しだいに大きくなる親とのトラブル/三億円犯人にされた?/東京脱出 ―漂流生活はじまる/教会離脱第三号}
【PART3 漂流生活の内側】
1 無条件の愛の実践
{イエスの方舟の在り方/他者の中に自己を見る/トイレも風呂も一つでいい/生活は、我慢や修行ではない/ほんとうに自由な生活とは/イエスを学ぶ}
2 イエスを生きる
{死は悟りでは超えられない/釈道や孔子は生活できなくても、イエスは生活できる/最早われ生くるにあらず }
3 信仰と行為
{奇妙な聖書の言葉/生駒山での断食修行/藁の文/聖書を実践する}
【会員たちの日常】
一日の日課/集団の中の人間関係の在り方/どこで規則の基準を決めるか/方舟の特殊性 ―希薄な家族意識/家族の原点 ―方舟事件の内側/親と子の理想的関係/方舟の現状での親と子の問題点/方舟家出のこと/結婚しない理由
集会
{彼にいのちがあった。そのいのちは人の光であった/我が名によりて求めよ。さらば受くべし/私が世にいる間、私は世の光である}
【PART4 幻想的な人間関係】
性について
1 {性の悩み/亀井勝一郎の「荒野の試み」批判}
2 {イエスには結婚歴がない/イエスの女性問題/原罪のない人間/第一のアダムと第二のアダム/第二のアダム「イエス」/姦淫の女/男と女の本質的な働き}
3 {蛇の誘惑/イエスの悩み/情欲は消滅できるか}
家族について
{幻想的な人間関係/自分、自分という重荷}
家族の中の死
{二本の樹の意味/喜怒哀楽が人生か}
{ある婦人の死}
{ある輸血拒否事件}
【エピローグ 新たに生きる】
1 摂取性の原理
2 日に誓って死す
3 客観が変わる
イエスの方舟年譜
参考文献
付記
〈解説〉漂流について(芹沢俊介)
あとがき