1994年 A4判 並製本 P89 特筆すべき瑕疵なく概ね良好な状態
※こちらの商品は全87ページと、比較的薄手の冊子です。
“護法祭は、現在、岡山県久米郡下のいくつかの寺院で盆の期間に行なわれている行事である。行を終えて身を清めた「護法実《ごほうざね》」と呼ばれるひとりの人物に、修験者らの祈り憑けによって護法善神が憑依し、「御法楽」「お遊び」と称して深夜の山岳寺院を疾駆し、跳躍するなど、この地方のみに伝承さ れるきわめて特異な行事であり、貴重な民俗文化財である。”(本書巻頭「「『美作の護法祭』の調査について」より」)
1993年当時、「護法祭」をおこなっていた3町4ヶ所(※)と、かつてはおこなっていたが途絶えてしまった社寺の調査報告書。
各社寺の沿革、護法祭の組織、準備、儀礼の進行などを、資料写真(モノクロ)も挿入しつつ記録する。
(※調査当時「護法祭」をおこなっていた4ヶ所のうち、恩性験寺の護法祭は現在(2024)ではおこなわれていない。)
目次:
【高野山真言宗 二上山 両山寺】
1 両山寺について/2 護法祭の成立/3 祭祀組織/4 護法祭の執行{・(1)祭式までの護法実 ・(2)祭式の次第}/5 護法実について/6 道具づくり{・(1)道具について ・(2)しめ飾り ・(3)紙手切り ・(4)榊葉づくり ・(5)手火づくり ・(6)サイカ杖づくり}
【高野山真言宗 龍光山 清水寺】
1 清水寺の沿革と現況{・(1)沿革 ・(2)清水寺の現況}/2 護法祭の成立{・(1)護法祭の成立 ・(2)島村知章の記した護法祭}/3 護法祭の組織/4 護法実について{・(1)護法実の選定 ・(2)3人の護法実 ・(3)護法実の前行と禁忌}/5 祭儀の構成と進行{・(1)祭儀の執行 ・(2)祭儀の構成と進行}/6 道具作り{・(1)枝手の作成 ・(2)榊葉の作成 ・(3)サイカ棒 ・(4)注連縄 ・(5)その他の諸道具 ・(6)幣}
【天台宗 宮本山 両仙寺】
1 両仙寺について{・(1)位置と現況 ・(2)両仙寺の歴史}/2 護法祭の成立/3 護法祭の準備{・(1)しで ・(2)榊葉 ・(3)手火 ・(4) サイカ棒 ・(5)注連 ・(6)その他の諸道具 ・(7)準備の時期と分担 ・(8)清め}/4 祭事組織について/5 護法実について{・(1)選定 ・(2)諸準備 ・(3)水行 ・(4)順拝 ・(5)祭式の中の護法実 }/6 護法祭の執行{・(1)祭式の次第 ・(2)一・二・三番螺 ・(3)役配ならびに御迎神 ・(4)祈りつけ ・(5)御法楽 ・(6)御送神}
【真言宗醍醐派 天通山 恩性験寺】
1 恩性験寺について{・(1)位置と現況 ・(2)恩性験寺の歴史}/2 護法祭の成立/3 護法祭の準備{・(1)紙手 ・(2)榊葉 ・(3)手火 ・(4)サイカ杖 ・(5)注連 ・(6)その他諸道具 ・(7)準備の時期、分担等}/4 祭事組織について/5 護法実について{・(1)護法実の選定 ・(2)諸準備}/6 護法祭{・(1)祭りの次第}
【中央町 一宮八幡神社】
1 一宮八幡神社について/2 護法祭の成立/3 祭祀組織/4 「護豊祭」の次第/5 護法実について
【久米南町 医王山 佛教寺】
1 佛教寺について{・(1)位置 ・(2)現況 ・(3)歴史}/2 護法祭の成立/3 護法祭の準備{・(1)紙手(枝手) ・(2)榊葉 ・(3)手火 ・(4)サイカ杖 ・(5)注連縄 ・(6)その他の諸道具 ・(7)準備の時期、分担等 ・(8)境内の清め、道具の清め、点検等}/4 祭事の組織/5 護法実について{・(1)護法実の選定 ・(2)諸準備と水行}/6 護法祭の執行{・(1)祭りの次第 ・(2)一番螺、二番螺、三番螺 ・(3)役配 ・(4) 祈りつけ ・(5)御法楽 ・(6)御送神}
【建部町 静謐山 豊楽寺】
1 豊楽寺について{・(1)豊楽寺の位置と現況 ・(2)豊楽寺の歴史}/2 護法祭の成立と実施年代/3 護法実について{・(1)護法実の選定 ・(2)水垢離 ・(3)護法実の食事}/4 護法祭について{・(1)榊葉 ・(2)手火 ・(3)祈りつけ ・(4)御法楽(お遊び)/5 豊楽寺にまつわる伝説{・(1)護法塚}
【高野山真言宗 紫雲山 泰西寺(泰山寺・西山寺)】
1 泰山寺・西山寺について/2 護法祭について
【柵原町 天台宗 本山寺】
1 本山寺の護法祭について