昭和30年4版 新書判 P214 カバーなし旧版 帯付 全体に経年によるヤケ、汚れ、少イタミ ページ角少折れ跡
“史書には民衆の生活文化の歴史は描かれていない。日本文化を形成した前代人の生活感情や生活事情の歴史を現代の地方生活に探る民俗学入門”(帯文)
旧字旧かな遣い
目次:
一 素朴なる疑問 ―民俗学の出発点
{ささやかな疑問/書物は答える/解けない疑義/ありふれた答案/大いなる迷信/書かれざる歴史/民俗学のみち}
二 百萬人の学問 ―用語を中心に
{好事家の趣味か/民俗の意味/民間伝承/生活の古典/残存/民俗の現代性/過去の民俗/常民/民俗の普遍性/国民総体の学問}
三 有形無形の文化 ―民俗学の対象
{民俗学の対象/三部分類/有形文化/言語芸術/心意現象/民俗学の間口}
四 実証科学として ―研究の方法
{実証科学/重出立証法/資料の質と量/いなかほど古風/文化周圏説/採集と文庫作業/門松の例正月様のこと/木を立てて祭る/民俗学上の実験}
五 村の訪ね方 ―民俗採集について
{採集の学/実感の必要/民俗は生きている/採集法の分類/採集の事前準備/村の選択/探訪の時日/波状採訪の效果/七つ道具/伝承者型/採集の心得/メモのとり方・/旅人の道徳}
六 新しい学問の成長 ―民俗学史大要
{民俗学以前/日本への移植/柳田先生の門出/郷土研究の勃興/大いなる協力者/地方への普及/島への関心/民俗学の確立/記念すべき年/調査事業の進展/民俗学講座/廃墟の上に/民俗学界の現況/何を読むべきか}
七 日本の神の発見 ―民俗学の成果
{国民史 の発掘}
1 二通りの生活 ―衣・食・住の問題 {ハレ着・ケ着/仕事着の変遷/タスキの歴史/麻から木綿へ/日本人の主食/酒の役割/村の節供/住居の変遷/まれびとの来臨}
2 文化のみなもと ―芸術芸能の起源 {目に見える神々/文学の発生/古いわざおぎ/競技も神事/こどもの民俗/小正月の来訪者/みの笠つけて}
3 古代信仰の復原 ―盆と正月 {正月の神/お年玉/タマのこと/魂の容れ物/二度のたま祭/盆礼・正月礼/まつりの意味/盆と正月/大小の正月/ホトケの語原/田の神・山の神/山に還る霊}
4 近世の変遷 ―葬礼と婚姻 {「史心」の養成/佛から神へ/葬制と婚姻/聟のいない婚礼/婚礼の変遷/聟の食い逃げ/主婦権の象徴/若者組・娘組/家長権の伸張/民俗の残り方}
八 趣味と学間との境 ―民俗学の周辺
{二つの民ゾク学/社会学との相違/国史と民俗顔/国語・国文学との境/その他の境界/学としての民俗学/社会科との交渉/学問と趣味}
九 民俗学を活かす道 ―現代と民俗学
{役に立つ学問/民俗学の応用/国民反省の学/むすびの言葉}
あとがき
重版に際して