1987年 四六判 P244 帯ヤケ、シミ カバー少ヤケ、少汚れ、端僅イタミ、内側時代シミ 天時代シミ多、小口少時代シミ P154製本時のミスによる端折れ跡
“舞踏とは命がけで突っ立った死体である ―土方巽
前衛詩人と暗黒舞踏家の二十年にわたる稀有な交流が生んだ書下し追悼篇”(帯文)
“…「土方巽とは何者?」誰もがそう思っているにちがいない。この人物と二十年の交流があるものの、私にはこの「一個の天才」を、十全に捉えることは出来ないだろう。そこで私は自分の「日記」を中心に据え、土方巽の周辺の友人、知己の証言を藉り、そして舞踏家の箴言的な言葉を、適宜挿入する、構成を試みた。まさしく、「日記」と「証言」に依る「引用」の『土方巽頌』である。…”(本書巻末「補足的で断章的な後書」より)
著者と土方巽との出会いから死別までの20年間にあった折々の出来事を、著者自身の日記、土方と交流のあった人々の文章、土方の言葉を引用しつつ辿る。
目次:
1 青い柱はどこにあるか?
2 出会い・「ゲスラー・テル群論」
3 「舞踏ジュネ」
4 「変宮の人」
5 雛まつり
6 「鎌鼬」写真展
7 唐十郎一家と赤テント
8 卵のオブジェ
9 アスベスト館の妖精
10 虎の絵の下で
11 「まんだら屋敷」
12 「肉体の叛乱」
13 詩人の絵画展
14 舞踏「麗子」
15 詩画集『あんま』
16 夜の訪問者
17 屈斜路湖畔からの絵葉書
18 「O氏の肖像」
19 少女相愛図のポスター
20 スペースカプセルの夕ベ ―奇妙な日のこと
21 映画「恐怖奇形人間」
22 「花と鳥」の夕べの後で
23 あやめの花
24 「婚儀大踏鑑」
25 黒塗りの下駄
26 百日鬘の女人
27 三島由紀夫の死
28 土方巽の幼少年期の〈詩的体験〉
29 アートヴィレッジにて
30 「遊行夢華」
31 秋水のように
32 アンドロジーヌ
33 女弟子たち
34 駿河台下で
35 「長須鯨」
36 「四季のための二十七晚」 ―第二次暗黒舞踏保結束記念公演
37 涙
38 あんま語語彙篇
39 絵はがき(昭和四十七年十二月十八日付)
40 「静かな家」
41 「陽物神譚」
42 「ひねもす神楽坂抄」
43 雪の夜の宴
44 本名
45 教育勅語的朗読
46 「サイレン鮭」
47 「白桃房」開花
48 大森の一夜
49 「黄泉比良坂」
50 「塩首」
51 アスベスト館封印
52 「使者」
53 『犬の静脈に嫉妬することから』
54 映画「風の景色」
55 「ラ・アルヘンチーナ頌」
56 白塗りの起源
57 「金村少年」そのほか
58 港が見える丘公園で
59 初冬の風
60 銅羅魔館にて
61 瀧口修造死去
62 「病める舞姫」
63 「わたしのお母さん」
64 暗黒舞踏派宣言前後
{1 秘儀/2 題材は文学作品から/3 「禁色」/4 共演の少年/5 DANCE EXPERIENCE の会/6 「エミリーの薔薇」/7 「胎内瞑想」/8 「ディヴィーヌ抄」/9 衣装は「ギプス」/10 〈晩餐会〉/11 舞踏「降霊館死学」/12 「音楽は食べるものですよ」/13 箱の中は?/14 砂糖壺/15 火と氷/16 納豆めし/17 モーブ色の空/18 憎い男ぶり}
65 瀧口修造の三回忌
66 「舞ひみぞれ」
67 シモン人形
68 奇想の書物?
69 「庭」
70 八芳園にて
71 ライヴスペース・プランB
72 『病める舞姫』完成
73 『病める舞姫』出版記念会
74 「スペインに桜」
75 「石が二つ出会うとき蝶がうまれる」
76 来宮の山荘の一夜
77 バー・おけい
78 六本木の朝明け
79 「縄文頭II」
80 「夏の淵」 ―祝宴の余波
81 モンロー人形のチョコレート
82 瀕死の雉子
83 バルチュスの絵を観にゆく、夏 ―〈日記〉 1984年より
84 たんぽぽと髪の句
85 現場・言葉
86 「間腐れ」
87 「恋愛舞踏派定礎」
88 秋の宴・パス夫妻をかこんで
89 アスベスト館の忘年会
90 「舞踏懺悔録集成」開催
91 「死海」 ―ウィンナーワルツと幽霊
92 「昼の月」
93 「ひばりと寝ジャカ」
94 再び「ラ・アルヘンチーナ頌」
95 神楽坂・鳥茶屋
96 「東北歌舞伎計画」 ―スタジオ200
97 「親しみへの奥の手」 ―アスベスト館開封記念公演
98 祇園祭見物
99 「油面のダリア」そのほか
100 秋の夜長
101 舞踏行脚 ―土方巽最後の講演
102 「富岡鉄斎展」を観にゆく、晩秋
103 十二月は残酷な月
104 暗い新春
105枢の前で
106哀悼の一句
107 風神のごとく ―弔辞
108 「聖あんま断腸詩篇」
補足的で断章的な後書
引用資料