1996年　A５判　P289　帯背少ヤケ　カバー僅汚れ、端少イタミ　地にB印

“現代詩の起点となった芸術思潮を捉えなおす
西欧の先進諸論と固有の伝統の狭間から噴き出た若き詩人たち。その強烈な個性と作品特性を思潮の中に位置づける。抒情派から前衛まで、爽快な批評によって、「詩」への理解を深めながら、大正詩の醍醐味と詩人の形姿を興味深く浮かび上がらせる。”（帯文）

目次：
はじめに

1　詩と宗教と山村暮鳥　―『聖三稜玻璃』の意味
2　「個人を生かす」口語詩　―武者小路実篤と千家元麿
3　口語自由詩の成果　―高村光太郎『道程』と萩原朔太郎『月に吠える』
4　抒情詩から暴発詩篇　―室生犀星
5　民衆詩人の軌跡　―白鳥省吾をめぐって
6　詩体を創る　―日夏耿之介〈ゴスィック・ローマン詩体〉の意味
7　抒情小曲の命脈　―竹久夢二のうた、生田春月など
8　画家の詩　―田中恭吉と村山槐多
9　散文詩の出現　―三富朽葉
10　自然の発見　―野口米次郎、高村光太郎、富田砕花の登山の詩
11　三木露風周辺の詩人たちから　―北村初雄
12　女性詩人の登場　―与謝野晶子から米沢順子 深尾須磨子、高群逸枝
13　殉情ということ　―佐藤春夫『殉情詩集』
14　海外生活のなかから　―堀口大学『月光とピエロ』などと『月下の一群』
15　求道と詩　―八木重吉と宮沢賢治
16　労働の現場で書かれた詩　―渋谷定輔『野良に叫ぶ』・根岸正吉ほか『どん底で歌ふ』
17　大正アヴァンギャルドの表現革命　―萩原恭次郎『死刑宣告』
18　詩の岐れ道　―富永太郎をめぐって

あとがき