2003年 文庫判 P372、378 各巻小口からページ端にかけてヤケ、僅汚れ 第1巻カバー端僅イタミ
【第I巻】
“ピタゴラスからマンディアルグまで、古今東西より選ばれた巨人たち一四二人の消息を、著者自らの体験をまじえ融通無碍に綴った空前の人物譜。六〇〜七〇年代のカルチャーシーンに多大な影響を与えた伝説の総合誌「遊」より生まれた幻の大著。�鬼�にはピタゴラスからエジソンまでを収録。”（カバー裏紹介文）
目次：
序
場所を記憶する数学 ―ピタゴラス／ローガとアローガに始まる ―マハーヴィラ／想起のための国家 ―プラトン／偏倚原子と気まぐれ粒子 ―エピクロス／戯論を四句否定する ―ナーガルジュナ（龍樹）／鉱物になったタオイスト ―葛洪／択滅の世界論理学 ―ヴァスバンドゥ（世親）／言霊物質と代作歌人 ―柿本人麻呂／汎マントラ・アーティスト ―空港／照明学派の神智学 ―スフラワルディ／言葉から出て言葉へ出る ―道元／二乗作物・時空の妙法 ―日蓮／近眼の視線と地獄の音声 ―ダンテ・アリギエリ／三大陸闊歩の記 ―イブン・バットゥータ／鏡とパロディ ―ヤン・ヴァン・アイク／金属サーカスの日々 ―ヨハネス・グーテンベルグ／自己言及性の放棄 ―ニコラウス・クザヌス／禿鷹ロボットの男色 ―レオナルド・ダ・ヴィンチ／ゲマトリアと同定錬金術 ― フィリップ・パラケルスス／磁球テレラの新自然学 ―ウィリアム・ギルバート／お気に召すまま ―ウィリアム・シェイクスピア／月の人の天界模型 ―ヨハネス・ケプラー／街をうろつく哲人 ―ルネ・デカルト／外部に主語がある ―ゴットフリート・ウィルヘルム・ライプニッツ／頭に水がたまる反哲学 ―ジョナサン・スウィフト／べらんめえの大僧正 ―ジョージ・バークリー／大バロックの文脈 ―ヨハン・セバスチャン・バッハ／振動する鉱物 ―イマニュエル・スウェデンボルグ／ガーゼとガーゼ製造器 ―ドニ・ディドロ／加上の仏教史 ―富永仲基／牡丹を吐く俳諧師 ―与謝蕪村／人工言語のための条理学 ―三浦梅園／天上のカオス・地上のレンズ ―フレデリック・ウィリアム・ハーシェル／暴力のエロティシズム ―フランソワ・ド・サド／進化に隠された退行序列 ―ジャン＝バプティスタ・ド・ラマルク／数学のない確率像 ―ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ／ネックレスと初期条件 ―ピエール・シモン・ラプラス／意識を化粧する ―鶴屋南北／天地鎔造の観相術 ―佐藤信淵／自己陶酔にふける自然 ―ウィルヘルム・フリードリヒ・ヘーゲル／雰囲気は結晶である ―ノヴァーリス／いかに真似しやすいか ―アマデウス・ホフマン／少数なれど熟したり ―フリードリッヒ・ガウス／感電する世界意志 ―アルトゥール・ショーペンハウアー／記録ができる鏡 ―ルイ・ダゲール／電気倶楽部のノートから ―マイケル・ファラデー／差異の直観を科学する ―ニコライ・ロバチェフスキー／宇宙植物のネットワーク ―グスタフ・テオドル・フェヒナー／三千大千換気扇世界 ―クリスチャン・ヨハン・ドップラー／さまよえる靴屋の伝説 ―ハンス・クリスチャン・アンデルセン／ファウスト博士の夢置場 ―ジェラール・ド・ネルヴァル／翼をもった非生活文学 ―エドガー・アラン・ポオ ／オブジェとクロロホルム ―ニコライ・ゴーゴリ／瀬戸際の数学的自由 ―エヴァリスト・ガロア／一粒三〇〇メートルの健康 ―クロード・ベルナール／自覚の外部性を求めて ―カール・ハインリッヒ・マルクス／破壊者と敵対者 ―ミハイル・アレクサンドロヴィッチ・バクーニン／石が記憶している ―ジョン・ラスキン／人工時間の祝祭者 ―シャルル・ピエール・ボードレール／運動中の眼球紳士 ―エティエンヌ・ジュール・マレイ／意識科学のフェティシズム ―ウィリアム・クルックス／宇宙に合理をつめすぎる ―エルンスト・ハインリヒ・ヘッケル／デザインの突然変異 ―ウィリアム・モリス／物質の記録・機械の告白 ―エルンスト・マッハ／欲望機械に乗った伯爵 ―ヴィリエ・ド・リラダン／絵は狩野派で書は松花堂 ―三遊亭円朝／無権力葬送行進曲 ―ピョートル・アレクセイヴィッチ・クロポトキン／自分をひっぱる人力哲学 ―フリードリヒ・ウィルヘルム・ニーチェ／半抽象の数学劇場 ―ゲオルグ・カントール／物質の因縁にはさまれて ―ウィルヘルム・コンラート・レントゲン／伝記王から電気王へ ―トマス・アルヴァ・エジソン
【第II巻】
“〈略〉…II巻にはユイスマンスからマンディアルグまでを収録。”（カバー裏紹介文より）
目次：
立ち上がった百科聖書群 ―ジョリス・カルル・ユイスマンス／脳のためのトポロジー ―フェリックス・クライン／世界電子主義派 ―ヘンドリック・アントン・ローレンツ／方法を喚起する民族学 ―ジェームス・ジョージ・フレイザー ／ハイエナの錯乱 ―ジャン＝ニコラ＝アルチュール・ランボオ／機会と消息のアナキズム ―オスカー・ワイルド ／宇宙服の中の重力 ―コンスタンティン・ツィオルコフスキー／量子のゆるい因果律 ―マックス・プランク／ああランマ・サバクタニ ―ジュール・ラフォルグ／延長的抽象化をめぐって ―アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド／アーカシャ年代記より ―ルドルフ・シュタイナー／風が作曲するように ―アシル・クロード・ドビュッシー／オカルティズムを批判する ―モーリス・メーテルリンク／フロックコートと浄土 ―清沢満之／時間と空間の織物 ―ハーバート・ジョージ・ウェルズ／ポーランド物質な夫人 ―マリー・キュリー／主客を離れる大事 ―鈴木大拙／少年と自然主義 ―国木田独歩／超男性のオナニーマシン ―アルフレッド・ジャリ／観音力と鬼神力 ―泉鏡花／十二音でならぶ熱力学 ―アルノルト・シェーンベルク／十川治江から来た手紙 ―高木貞治／自分を超えている心 ―カルル・グスタフ・ユング／太陽神経叢が踊っている ―イサドラ・ダンカン／神々の陽気なコント ―ロード・ダンセイニ二十八世／無のシュプレマティズム ―カシミール・マレーヴィチ／懐手して宇宙見物 ―寺田寅彦／重力という時空 ―アルバート・アインシュタイン／革命と観察者 ―レオン・トロツキー／尺度は進行しつづける ―パウル・クレー／ゲームとシフトの情報論 ―マックス・ヴェルトハイマー／複雑性と自律性 ―ティヤール・ド・シャルダン／六月十六日の編集工学 ―ジェイムズ・オーガスティン・ジョイス／未来派エントロピー ―ウンベルト・ボッチョーニ／SとKをめぐる話 ―北一輝／春三月縊り残され花に舞う ―大杉栄／本は一冊の注射器である ―クラウス・ヒューゴ・ヘルマン・ワイル／反ポスト・モダニズム ―ルートヴィヒ・ミース・ファン・デル・ローエ／いつまで客神を待つべきか ―折口信夫／作品という領土主義 ―マルセル・デュシャン／ストカスティックな猫 ―アーウィン・シュレディンガー／立体裁縫幾何学者 ―ジョルジュ・デ・キリコ／オートバイの繊維学 ―トーマス・エドワード・ローレンス／凧アゲハに遊ぶ ―ルードヴィヒ・ヴィトゲンシュタイン／世界の-近さ-の内に入る ―マルティン・ハイデッガー／浮遊する鳥形類たちへ ―マックス・エルンスト／シンタックスと形式主義 ―ルドルフ・カルナップ／藪の中の銀色歯車 ―芥川龍之介／地と図をもった波動界 ―ルイ・ヴィトール・ド・ブロイ／日本イデオロギーの密林 ―三枝博音／情報はフィードバックする ―ノバート・ウィーナー／マンハッタンで乗りかえて ―ジョン・ロドリゴ・ドス・パソス／一九一六年二月五日の店 ―トリスタン・ツァラ／因果交流電燈企画会議 ―宮沢賢治／十八秒の劇的憑依体 ―アントナン・アルトー／蕩尽の普遍経済学 ―ジョルジュ・バタイユ／バランスとバリティの問題 ―モーリッツ・コルネリス・エッシャー／地軸と古代緑地 ―吉田一穂／休息のない犬たち ―アンリ・ミショー／自分の尾をかじる文学 ―ホルヘ・ルイス・ボルヘス／ニュートリノからの信号 ―ウォルフガング・パウリ／遠方では時間が遅れている ―稲垣足穂／矢印のついたシステム ―ルイ・イサドラ・カーン／不確定性原理の混乱 ―ウェルナー・カルル・ハイゼンベルク／反世界と内秩序 ―ポール・エードリアン・モーリス・ディラック／光のパフォーマンス ―アンセル・アダムス／二人目の自分自身 ―サルヴァドール・ダリ／カナリゼーションの発生学 ―コンラート・ハル・ウォディントン／数学的遁走曲 ―クルト・ゲーデル／女たちの根こぎ ―シモーヌ・ヴェイユ／横超する映像文学 ―アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグ
文庫版へのあとがき
解説（高山宏）
