1995年2刷 A5判 P297+著作目録・文献P28 ビニールカバー端少イタミ カバー少凹み
“「解体」の後にくる〈知〉のかたどりを理論化し、自らも実践するルーマン。オートポイエシスの使徒をめぐる13章。”(帯文)
目次:
ルーマンによるまえがき
序論 新たな知を求めて ―問題の所在および本書の構成―(土方透)
1 相対主義の行方
2 学の自己反省
3 普遍理論の現在
【I ルーマンの問題提起】
第一章 システム理論の最近の展開(N・ルーマン 訳:土方透)
1 端緒としての差異
2 システム理論の革新
3 システム理論の可能性
第二章 不確定性の生成と処理 ―自己組織的意味構成のメカニズム―(田中耕一)
1 意味構成の二つのレベル ―シュッツ - パーソンズ論争から―
2 エスノメソドロジーの態度変更
3 社会学理論における「規範」の位置
4 オートポイエシス的システムの理論
5 不確定性はいかにして処理されるか ―否定の否定―
第三章 コミュニケーションのパラドクス(西阪仰)
1 「システム/環境」図式のパラドクス
2 コミュニケーションのオートポイエシス
3 パラドクスと脱パラドクス化
4 パラドクシカルなコミュニケーションの非パラドクシカルな観察
第四章 コムニオ・サンクトルム(Communio sanctorum) ―宗教について―(西阪仰)
1 メディアとしての信仰
2 宗教的コミュニケーションの接続様式
3 逆理のコミュニケーション
4 宗教のパラドクス
5 〈聖なるもの〉と〈理性〉
【II 《無根拠性》の展開】
第五章 共同体と共有知 ―明かしえぬ共同体―(J・P・デュビュイ 訳:大澤善信)
1 導入 ―コミュニケーションの透明性について―
2 自己反省の極限 ―《完全な内省は、不完全性がゼロに近づく以上不完全な内省の極限ではない》―
3 内省と自己否定
第六章 貨幣の擬晶(大澤善信)
1 貨幣の脱魔術化
2 貨幣象徴の意味変容
3 距離化様式としての貨幣
4 インターフェイスとしての貨幣
5 ナルシソス的戦略と貨幣の擬晶
6 「共同性」の擬晶
第七章 正当性問題再考 ―アイロニーを「超えて」―(馬場靖雄)
1 これまでの解釈·批判
2 社会分化のなかの正当性
3 「手続による正当化」の実践的含意
4 E la nave và ―結びに替えて―
第八章 批判としてのメディア論 ―跳び越えられた差異―(馬場靖雄)
1 メディアの「跳躍」
2 メディアとしての権力
3 異郷のなかで
【III 新たな知】
第九章 人間と社会 ―システム論的正義論をめぐって―(青山治城)
1 正義論の問題構成 ―正義の基底性
2 real self or social self
3 意味の基底性
4 システム論的正義論
第十章 貨幣のパラドクス(D・ベッカー 訳:野崎和義)
1パラドクスと観察者
2 貨幣の「精神史」
3 パラドクスと自己言及
4 簿記
5 経費と銀行
第十一章 法のオートポイエシスとその展開(G・トイプナー 訳:大橋憲広)
1 法の自己言及
2 法のオートポイエシス
3 法のオートポイエシスと法の自律性
4 オートポイエシスと法の進化
5 閉鎖性と開放性
終章 進化する普遍理論 ―新たな知の到来―(土方透)
1 差異性構造
2 システムの時間構造
3 システムの力動性
4 普遍の所在 relatio relationis
編者あとがき
文献
N・ルーマン著作目録