20世紀写真史 伊藤俊治 ちくま学芸文庫

1997年4刷 文庫判 P279 カバースレ、少ヤケ、少汚れ、端僅イタミ

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1997年4刷 文庫判 P279 カバースレ、少ヤケ、少汚れ、端僅イタミ

“「写真とは、ひとつの二十世紀の黙示録の形式ではなかったのだろうか。それは十九世紀後半に始まるある終末と密接な関係を持ち、かつての人間の概念の死滅と深く結びついている。(本文より)」A・スティーグリッツからJ・P・ウィトキンまで、近代都市の発生から終末のビジョンまでを精緻に記述し、写真が織りなす二十世紀の感受性、人間の概念の変容を浮かびあがらせるとともに時代感情の壁を辿るモノクロームの文化史。”(カバー裏紹介文)

目次:
【I 都市と時間の象徴 ―変わりゆく時空認識 一八九○→一九一〇
1 意識の発生
2 都市の動感
3 写真家集団と芸術運動
4 旧世界から新世界へ
5 失われた時間
6 写真の象徴性
7 都市からの眼差し、都市への眼差し

(一、時間軸の交差)

【II 機械神の幻影 ―“光の死”とその後の展開 一九一〇→一九三〇
1 “機械の眼”の覚醒
2 デウス・エクス・マキナ
3 「機械」に突き刺さる「時間」
4 浮上する内部感覚
5 射影される精神環境
6 写真言語の確立

(二、都市の無意識)

【III デザインされるイコン ―機能する写真の新しい均衡 一九二五→一九四五
1 グラフィズムの成立
2 マニピュレイションの浮上
3 フォト・ジャーナリズムの拡大
4 写真は説得する
5 読まれる写真、読まれえない写真
6 もうひとつの眼差し

(三、物からのメッセージ)

【IV 揺れ動く記録 ―「主観」と「現実」への眼差 一九四五→一九六〇】
1 フォト・ジャーナリズムの変容
2 ヒューマン・インタレストの崩壊
3 二つの異邦の眼
4 たちあらわれる知覚と記憶
5 主観と各観のはざまに
6 現在性の介入

(四、風景の悲劇)

【V 他者のフィギュア ―人間と環境のはざまに一九六〇→一九七〇】
1 転換期
2 鮮明な日常の澱
3 主体のパニック
4 闇の跡の記録
5 比喩としての自画像

(五、身体感情の散乱)

【メディアと死の位相 ―終末の様々なヴィジョン一九七〇→一九八五】
1 身体感覚のメディア
2 フィクショナルな画像
3 サバービアの内面
4 女たちの写真
5 肉体の境界へ
6 黙示録のヴィジョン

(六、私性と死性)

あとがき
文庫版あとがき
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