昭和56年復刻版 A５判 P286 函ヤケ、汚れ、端少イタミ、下角少濡れシミ 本体背少脱色シミ
旧字旧かな遣い
昭和11年に財団法人・中央社会事業協会社会事業研究所の名義で刊行されたものを影印復刻。
“本書は徳川時代に行はれた人口制限策としての「堕胎間引」の悪習を児童保護業の立場より嬌正せる史実に関する研究にして、所員高橋梵仙が執筆せるものである。”（本書巻頭「例言」より）
目次：
緒言
【序説】
第一章 我國に於ける堕胎間引の史的概觀
一 堕胎間引の考証
二 農村社会の窮乏と其打開策としての殺児の悪弊
三 都市に於ける淫跡隱蔽策としての堕胎の弊風
四 武士階級の産児制限と産児制限論
五 堕胎の方法と其業者
六 間引の方法と水子
七 堕胎陰殺に就ての幕府の対策
八 人口に及ぼせる堕胎間引の影響
【関東各藩】
第二章 水戸藩に於ける堕胎間引の禁止と育子分家法
第三章 笠間藩に於ける堕胎間引の矯正と人口増殖
一 笠間牧野家の家系と領内の疲弊
二 貞喜公の就 封と在方論文
三 農民の疲弊と堕胎陰殺の悪習
四 育児と養育の方法
五 農業移民と入百姓
六 貞喜公の信仰と育児
第四章 宇都宮藩に於ける堕胎間引の矯正と鈴木石橋
第五章 佐倉藩に於ける洗子の禁令と堀田正睦公
第六章 柴山藩里正大高善兵衛兄弟の嬰児救育
【東北各藩】
第七章 仙台藩に於ける堕胎殺児の矯正と赤子養育法
一 堕胎殺児の悪習
二 赤子養育仕法の起原
三 赤子養育仕法の方法
第八章 南部藩に於ける堕胎間引に依る人口減少と育子法制定まで
一 間引の悪習と人口減少
二 育子法の制定と養育基金
第九章 秋田藩に於ける分娩児圧殺禁令と感恩講の濫觴
一 人口減少と佐藤信淵の上書
二 藩主佐竹義和、義厚両公の育児策
三 感恩講 の濫觴と 那波三郎右衛門
第十章 荘内藩家老水野元朗と赤子養育米
第十一章 米沢藩の赤子出生養育手当制度
一 藩政の廃弛と鷹山公の襲封並人口増殖
二 鷹山公以前の堕胎間引と其防止策
三 鷹山公の出生養育令
四 治廣公の赤子出生養育手当制度
第十二章 新荘藩に於ける赤子養育制度と僧栄天
一 財政窮乏と人口の減少
二 堕胎陰殺と赤子養育令の発布
三 瑞雲院住僧栄天の赤子養育
四 僧栄天の遺徳と藩主戸沢正講公の赤子養育米
第十三章 会津藩に於ける堕胎嬰兒圧殺の禁止と保科正之公
第十四章 白河藩の堕胎殺児と楽翁松平定信公
第十五章 中村藩に於ける赤子養育仕法
第十六章 二本松藩に於ける生育手当
【四国九州各藩並松江藩】
第十七章 鹿児島藩に於ける「へし児」の矯正
一 堕胎の悪習と佐藤信淵の見聞
二 「ヘし児」の禁止
第十八章 飫肥藩の養育米と多子者の優遇
第十九章 土佐藩に於ける育児政策
第二十章 松山藩に於ける堕胎の悪習と廣橋太助の赤子養育
第二十一章 松江藩の釋義天並秦�麒識區道�
【幕府各領】
第二十二章 代官竹垣直温の堕胎間引の防止策
一竹垣の家系と直温
二 直温の代官就任と関東転任当時の民情
三 赤子養育と妊婦の見届
四 入百姓と人口増殖策
五 直温の長逝と領民の追慕
第二十三章 代官岡田寒泉の堕胎間引の矯正と其防止作
一 寒泉の成人と儒職任官
二 代官職就任並民政の視察と庶政策新
三 堕胎間引の悪習と小児養育手当
四 懷胎者の取締
五 塞泉の退職
第二十四章 寺西代官の民政と堕胎間引の防止策
一 寺西封元の官就任
二 堕胎間引の禁止
三 再度の禁令発布と赤子養育
四 赤子養育の人数
第二十五章 中国地方の堕胎間引と早川代官
一 早川八郎左衛門の代官就任
二 久世代官転任と堕胎間引の禁制
三 僧侶の協力と久世條教
四 久世條教の内容
五 名代官早川の善政と領民の留任歎願
六 早川の死と旧領民の追暮
第二十六章 大光院開山吞龍上人の貧児救育
結言
