昭和54年 A５判 P248＋日本民譚事典・索引P31 函・帯ヤケ、汚れ 本体ビニールカバー端少イタミ
“民俗学樹立への陣痛の姿
柳田国男の「郷土研究」休刊のあとをうけて創刊された本誌は、折口信夫が心血を注いで編集したものであるが、こと志と違い、あえなく4号で終った。すみからすみまで折口信夫が息づき苦しみしていて、何とも貴重な雑誌である。それが日本民俗学樹立への陣痛の姿でもあり、民俗学の歴史の上で貴重な1頁を占める。”（帯文）
第1巻第1号（大正7年8月）から第1巻第4号までを影印復刻するほか、1〜3号まで連載された「日本民譚辞典」（折口）3回分を一括掲載、また巻末には総目次および執筆者索引を付す。
目次：
【第一巻第一号】
雑誌は探集者の栞（柳田國男）
幣束から旗さし物へ（折口信夫）
尾曳の城（中山 太郎）
だいがくの研究（岡本彥七）
棄老傳説に就て（南方熊楠）
江戸の童遊の言葉（山中共古）
松本市町内制度（胡桃澤勘内）
薩摩の疱瘡踊り（加藤雄吉）
まじなひの一方面（拓本簗松）
農業に関する血液の土俗（ねふすきい）
おしら神異聞（佐々木喜善）
地形を表す方言（東條操）
金田一といふ姓（金田一京助）
消えずの燈（その一）（神田千代八）
報告
｛薩摩・大隅の田の神（伊勢清志）／筑摩民譚 (平�齠留�）／阪の名前（山中共古）／印度の賤民（南方熊楠）／首塚及鬼首塚（林魁一）／切り飯の風習（住廣造）／地蔵の話（遠藤冬花）／出稼ぎ鍛冶（雑賀貞次郎）／賀名生と弘法大師（田村吉永）／三郷巷談（膝折武助)／溏の禁呪（淺見安之）／紀州の雨乞ひ踊り歌（逸木清流）｝
方言
｛だいと云ふ地名（柳田國男）／くびだけ（飯島彦六）／さくら（手孕健)／をけあらひ・ごえん（折口信夫）／かんなべ（長山源雄・安東危西）／田畑計算（高島冠嶺）／風の名（淺見安之）／地名の当て字（柳田國男）｝
抜き読み
｛國々の巫女（柳田國男）／穀物の神を殺す行事（ふれいざあ）｝
小通信
｛飛騨の野筒（住廣造）／柴立温泉の由来（柴野未樵)／百八燈（丸山太一郎）／嫁初の出し物（雑賀貞次郎）／杓子に関する土俗（與田倉之助）／木竹の植ゑ時（南方熊楠）／箱根の幽霊屋（南方熊楠）／流行病除けの呪（遠藤冬花）／又一報（平�鸞娠�）／眞繼氏（柳田生）｝
間答
｛（一）藝人の村／（二）妻鳥・免取といふ姓／（三）女の家／（四）晝ぎつね／（五）乙御前／（六）せんちよ言ふ地形／（七）面を祭る風／（八）あづなひの罪／（九）奴の紋／（十）勝々山の異傳／（十一）第六天｝
毎月帖
創刊に當りて.
附録 日本民譚辞典（あいご）（折口信夫）
【第一巻第二号】
杓子と俗信（柳田國男）
幣束から旗さし物へ 下（折口信夫）
望失石（中山太郎）
松本藩聞き書（汐谷幸二）
津久井の山村より（柳田國男）
遠野のまじなひ人形（ねふすきい）
食用野外植物及蟲類（來見佐芳）
棧敷の古い形（柘本簗松）
地形を表す方言 下（東條操）
日本左衛門（高柳光壽）
南方隨筆（南方熊楠）
土俗談語（山中共古）
消えずの燈 その二（神田千代八）
折口といふ名字（折口信夫）
報告
｛古い家と古い村（柳田國男）／甲州北巨摩の奥（伊原宇三郎）／燕の巣の蜆貝（安束危西）／遊行神人（高木誠一）／ゆふべの唄（水木直箭）／おしらさま（内田邦彦）／筑摩民譚（(平�鸞娠�）／紀州法仙寺七不思議（森口清一）／色々のまじなひ（田村吉永）／信州大河原の話（前澤淵月)／青龍講（須田方塘）／佐渡の俗信（茅原鐵蔵）／陸中の田植ゑ踊り（高橋陸郎）｝
方言
｛よそゞめ・どゞめ（安東危西）／てんごお（槐本夏蔭）／夜と晩（高家徳松）／よさもと（揖宿袈裟六）／東京と大阪の語（麻生露子）／祭りの方言（伊勢清志）／負ひ方・擁き方（滓上江餘五）／たしなむ（折口信夫）／さくら（尾佐竹猛）／おいにょおぼお（飯島彦六）／もろに（手孕健）
抜き読み
｛毅物の神を殺す行事（ふれいざあ）｝
小通信
｛ちかぼし（南方熊楠）／前鬼より（田村吉永）／柴さし（伏原尾呂彦）／ いちぶちとい／＼（青砥勝衛）／郭公民譚（與田倉之助）／私娼のあざ名（山中共古）／天子の祠（今并幸則）／道祖神はびつこ（室岡善太郎）／濱松の土用丑（武田國榮）／風流（平瀬麥雨）／ごんぼの北枕（(二上馬醉）
問答
問ひ ｛傘一本（川本晃）／郷士の生活（人見忠）／魂迎へ島（ねふすきい）／お伽晰と律語（吉村洪一）／しのとと言ふ地名（柳田國男）
答へ ｛免取（高圓鍋吉）／女の家（飛鳥蟲名）／乙御前（茅原夏井）／面の信仰（劍持傳助）／汝が母のほとの廣さ（大野芳宜）／第六天（高木誠一）／同じく（へいし）／同じく（熱貫福三）
毎月帖
附録 日本民譚辞典（あいご）（折口信夫）
【第一巻第三号】
おたま杓子（柳田國男）
まといの話（折口信夫）
家の木末と屋内の称呼（胡桃澤勘内）
だいがくの研究（岡本彦七）
獣の話（鈴木重光）
土佐幡多郡より（寺石正路）
相模の獅子舞ひ歌（ねふすきい）
椀久（諸縣淡等）
一つ物（中山太郎）
るさるかの話（おれすと・ぷれとねる
南方隨筆（南方熊楠）
土俗談語（山中共古）
狐の田舎わたらひ（茅原二郎三郎）
報告
｛こまのはか（松本楢車）／色々の願果し（平�齠留�）／奈良田の七不思議（中村成文）／日向通信（伊勢清志）／三��巷談（膝折武助）／北巨摩の奧（伊原宇三郎）／墓石の差別（雑賀貞次郎）／百姓と駈け落ち（今井幸則）／伊豫の蛇神（横田傳松）／俗信部類（山中共古）／徳島より（眞藤俊一）／お日待ち（武藤喜邦）／寒の油（工藤甚九郎）／筑後の道祖神（宮崎篤三郎）／屋久島の民謠（土居暁風）／陸中の田植ゑ踊り（高橋陸郎）｝
方言
｛丘と窪地の名（柳田國男）／髮形と子ども（折口信夫）／やつさ（今い幸則）／まてる（同じ人）／断虹（さるぼ）（鈴木金太郎）／ぼうやと言ふ大工（高島冠嶺）／あおち貧乏（揖宿袈裟七）／漂浪民（林魁一）／でい（同じ人）／祭リの翌日（遠藤冬花）／祭りの方言（伊原宇三耶）／れんど（二上馬）／うだ・むだ（安東危門）｝
抜き読み
｛獨樂の話（はっどん教授）｝
小通信
｛加茂助谷の話（船津八尾）／馬蹄石（胡桃澤勘内）／しやくじと石神（横田傳松）／高野の火（雑賀貞次郎）／蛇がまいた（丸山瓦全）／善光寺大勧進（かへでぞの）／淡路沼島から（後藤一雄）／雪を知る木（榎本御杖）／螻蛄と尺度（伊勢清志）／ちかぼし（猪飼小椅）／神社部類 （山中共古）｝
問答
問ひ ｛他人と言ふ名（赤田里吉）／物貰ひ（辻才六）／祭り節日の喰ひ物（人見忠）｝
答へ ｛免取（中山丙子）／ひるぎつね（古橋柳之助）／同じく（龜窪六三）／面の信仰（平井右平）／あづなひの罪（ねふすきい）／釘貫の紋（内越市松）／同じく（笠松翠）／傘一本（折口信夫）／童話の律語（玉江望塔）｝
毎月帖
附録 日本民譚辞典（あいご・あうむ）（折口信夫）
【第一巻第四号】
東北の地名とあいぬ語（金田一京助）
穂落し神（中山太郎）
杓子・柄杓及び瓢單（柳田國男）
沖縄書き留め（末吉安恭）
連雀町.（神田千代八）
瓢箪の俗信・俗話（佐々木喜善）
土佐幡多郡より（寺石正路）
文身の話（山中共古）
南方隨筆（南方熊楠）
家屋に関した方言（東條操）
遠野物語続貂（伊能嘉矩）
びんざゝら祭り（高柳光壽）
折口といふ名字（折口信夫）
報告
｛平澤雑記（胡桃澤勘内）／島の外の話（鈴木重光）／當麻より（木下大造）／日向通信（伊勢清志）／天狗になつた人（馬加大蔵）／白鍬祭り（高木誠一）／えびす舞はし（横田傅松）／おげの話 （鈴木鐸）／四谷の横町（山中笑）／大和の國より（松本楢重）}
方言
｛夕方（東條操）／ぐり（安東危西）／祭りの翌日（鈴木鐸）／祭リの前後（越吳山人）／はえ（平々子宅平）｝
問答
問ひ ｛正月の門飾り（杉本泉）／太子と能役者と（川本晃）｝
答へ ｛釘貫の紋（柳本城西）／第六天（南方熊楠）／しのとの地形（千代延尙壽）／他人と いふ名前（金田一）｝
毎月帖
｛食物部類（山中共古）／遍路の通り手形（�堙佃�松）／氏神と地蔵（汐谷幸二）／お菊の墓 （吉村高灯）／乗り掛け馬と嫁入り（源昌恒）／雙子のなり物 （千代延尙壽）／風邪の色々（森田哀角）／赤兒の迷信 （住廣造）｝
記者より
【日本民譚辞典】
総目次
執筆者索引
