昭和54年 四六判 帯・ビニールカバー付 全体に少汚れ 巻によってビニールカバー端キレ 第10巻裁断ミス
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“錬金術・マニエリスム・魔術・ナンセンス・怪物・吸血鬼・詐欺師……と、文明と知の体系を反転し、その陰画のなかに、奔放な想像力と精緻な論理で、来るべき祝祭空間を照射する。”(宣伝文)
“腐蝕したアカデミズムの権威と風化した異端の思想が蔓延して久しい今日、私たちに求められているのは、真の意味での「知」の再構築でありましょう。
種村季弘氏の多岐多彩な営為は、アンチ・ヒューマニズムの特異な映画を出発点として早や十年余、以来それは華麗な陰画世界というにふさわしく、悪魔・ドラキュラ・人造人間・錬金術・詐欺師などの綺想の系譜を、洋の東西の文学・美術・思想の領域に探り、現代人の抱く変身願望=ユートピア指向を摘出しつつ、蘇えるべき祝祭空間を遠望してきました。
目眩く氏の著作集成群は、あたかも地上の知の殿堂の価値体系を根底から揺るがすアンチ・テーゼ、地底のもう一つの知の巨大な迷宮=ラビリントスのように迫ってきます。
「種村季弘のラビリントス』は、大いなる刺戟と衝撃をもって、昏迷する文学・思想界を活性化するものと確信しております。”(広告「刊行のことば」より)
【1 怪物のユートピア】昭和54年初版 P306
“暴力映画を論じつつ、ギリシア神話の世界を散策し、転じて怪奇映画のなかに世界の終末と来るべきユートピアを遠望する。 ―新しい映画の批評法を確立すると同時に、光と闇の芸術の彼方に人間存在の秘められた本質を透視する、氏の多彩な営為の原点となった第一評論集。”(帯文)

目次:
怪物のユートピア
I {ジョン・フランケンハイマー論/催眠術師とあやつり人形/管理社会のなかの永久革命者/映像死滅理論の魔笛奏者/不条理演劇と現代映画/仮面劇の復活/失楽園から星雲都市まで/土に溶ける機械文明/換骨奪胎の思想}
II {石堂淑朗/吉田喜重/鏡が死児を育てる?/花と暗黒世界との隠し通路/偽りと解放軍思想との間/滅亡愛の楽園/「存在と無」から「存在と十円」へ/怪奇映画の早すぎた埋葬/暗殺者たちのポートレート/大衆映画は旧態を墨守せよ/恐怖を飼う市民たち}
III {巨人ゴーレムの謎/肉体について/フランツ・カフカ/マニエリスムの発見/マニエリスム文学の復権/悲喜劇の出生/退化人間の処刑場/アンチ・エロチカーの世界/F・フェリーニの白い文章体}
鯨の腹中と物見櫓と(あとがきにかえて)
初出紙誌一覧
【2 影法師の誘惑】昭和54年初版 P316
“永遠のまどろみの中で、退行の夢に耽りきりたいという、われらの母胎回帰顧望を基底に、玩具箱の中の古時計・覗きからくり・影絵人形・童話・動揺など、遠い美しき日々への追憶が織りなす幼年期の夢の王国。”(帯文)

目次:
I 少女 {小妖精アリス/シンデレラの靴/少女論/アリスの肖像画家たち/遊戯の規則}
II 人形 {人形幻想/人形貴種流離譚/器具としての肉体/ある人形破壊者の白日夢/人形の解剖学者}
III 幻燈 {魔術時代の終焉/影法師の誘惑/幻想の時計師/暗箱の花咲ける洞窟}
IV 玻璃 {タロットの秘密/現代の妖怪/和洋怪談比較考/面白い小説のからくり/つげ義春の退行的ユートピア/一枚の銅版画から}
V 幼年 {長広舌讃/十二階の崩れた日から/文学以前の世界}
VI 睡眠 {求む装飾用隠者/睡眠者の全知/赤い靴}
水中影変幻(あとがきにかえて)
初出紙誌一覧
【3 吸血鬼幻想】昭和54年初版 P280 ビニールカバー端キレ、少汚れ
“戦慄のエロチシズム
歴史のほの暗い深淵から、寄る辺ない人間の不安を証言する存在として吸血鬼をとらえ、吸血鬼の語原、歴史的系譜をたどり、社会的・宗教的・心理的背景を探りつつ、血のエロチシズムを通じて鳥瞰する暗闇の〈文化史〉”(帯文)

目次:
吸血鬼幻想
吸血鬼の系譜学 {前史/狼人/死餓鬼/さまよえる死者/擬吸血鬼/名称}
吸血鬼論争
吸血鬼百科 {黒死病の秘密/早すぎた埋葬/腐敗しない屍体/恐怖の幻像/吸血鬼予防法}
大吸血鬼の肖像
吸血鬼のエロチシズム {死者交接/血のエロス/キリスト教的倒錯}
吸血鬼小説考
吸血鬼詩アンソロジー {吸血鬼詩小論}
生きている吸血鬼 {ジル・ド・レエ/バートリ・エルジェベト/ジョン・ヘイ(ロンドンの吸血鬼)
吸血鬼の画廊
吸血鬼文献資料 {吸血鬼文献/吸血鬼映画一覧}
吸血鬼の眼・吸血鬼の言語(あとがきにかえて)
初出誌一覧
【4 薔薇十字の魔法】昭和54年初版 P274
“人類救済のための秘儀
世界没落の予兆に脅える16〜18世紀のヨーロッパに、救済者としてその出現が渇望された謎の秘密結社・薔薇十字団 ―文豪ゲーテやシェイクスピアなど知識階級を席捲した蠱惑の教理〈「愛」と「知」による復活〉の奥義を探る。”(帯文)

目次:
I 薔薇十字の沿革 {秘密結社/べーメ主義者/フリーメーソン/山師と神秘家/女性の道士/十九世紀パリ}
II 薔薇十字の魔法 {黄金造成/四大精霊/続・四大精霊/超空気の謎/不死の人/光学魔術/テレパシー}
III 愚者の旅
IV 化学の結婚
☆ 薔薇の秘蹟
ボへミアの小さな城(あとがきにかえて)
初出誌一覧
【5 失楽園測量地図】昭和54年初版 P266
“終末論とユートピア
過去への懐かしい追憶のなかに、ありうべき永遠の楽園を求めながらも、錯綜した迷路に紛れ込み失速していった芸術家たち。その挫折した夢の軌跡を辿りつつ、終末論と表裏一体をなすユートピア願望のイロニーを摘出する。”(帯文)

目次:
I 楽園 {失楽園測量地図/没落のパラダイス/アンチ・ユートピアの誘惑/恐怖美考/恐怖と快楽の逆宇宙}
II 追憶 {地獄幻想/笑いの彼方/甲虫のいる病院/わが池袋序説/昆虫的集合論}
III 迷路 {死者たちの軍隊/バヴァリア幻想教団の秘密/期待のなかの人工楽園/あらかじめ失われた遊戯}
IV 変身 {夢遊者の反犯罪/月の道化師/異装者の変身/美女と毒薬/マドレーヌと新大陸/異物と結晶}
とりかえばや物語序曲(あとがきにかえて)
初出誌一覧
【6 怪物の解剖学】P243
“怪物の世界史
巨人伝説からロボットまで、にんげんの欲望と恐怖を凝縮し、神の創造の秘密に接近する《人工的生命》の種々相を追求し、蘇えるべき祝祭空間をさぐる綺想の現象学。”(帯文)

目次:
ゴーレムの秘密/怪物の作り方/魔術師シモン/壜のなかの精霊/少女人形フランシーヌ/始原児の再生/自動人形庭園/マンドラゴラ の旅/機械人間の系譜/ピュグマリオンの恋/ドッペルゲンゲルの彷徨/鉱物の花嫁
怪物胎生考(あとがきにかえて)
初出誌一覧
【7 アナクロニズム】P268 ビニールカバー端少キレ
“もう一つの文明史
地球空間説、血液嗜好症、蘆原将軍考……など、歴史の隅にかくされた綺想の系譜を辿って東西文明の陰画をさぐる。新たに、書き下ろし80枚を増補。”(帯文)

目次:
蘆原将軍考/地球空洞説/続・地球空洞説/人間栽培論/小児十字軍/モーゼの魔術/壜の中の手記/ロ ボット考/空飛ぶ円盤/血液嗜好症《ヘマトフィリア》/文学的変装術/少女流謫/蛇と舞踏者/聖指話法/奇行奇人綺譚/奇術師入門/第三の眼/女の決闘}
再説・蘆原将軍考(あとがきにかえて)
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【8 悪魔禮拝】P325 ビニールカバー端キレ
“神の敵・悪魔に寄せる讃歌
キリスト教的伝統のなかで、邪悪にして猥雑な存在とされながらも、既成の価値を顛倒する反文化の体現者として、人々を魅了し続けてきた、忌わしくも甘美な悪魔の実態を多角的に探る”(帯文)

目次:
サタンと大母神《マグナ・マーテル》/魔女の霊薬/蛇と世界創造神/悪魔の芸術/恥辱の接吻/悪魔の契約書 /太陽と黒ミサ/悪魔の世俗化/文学としての黒ミサ/匪賊ロマンチシズム/ヴェネツィ ア再訪
悪魔礼拝者への反歌(あとがきにかえて)
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【9 壺中天奇聞】P282
“もう一つの日本文学史
マクロの世界がミクロの世界に収斂する壺中の天地を文学にたずね、作品化された人間の精神と情熱の暗部ともいえる怪奇・幻想・耽美・綺想の系譜を、熾烈な眼差しで照射する〈もう一つの日本文学史〉”(帯文)

目次:
I {孤児のロゴス 上田秋成/南北対極考 四世鶴屋南北/デカダンスの論理 月岡芳年/逃げる男 齊藤�儕�/水中花変幻 泉鏡花}
II {覗く人 ボードレール/水源の涸れるとき 北原白秋/時任謙作の去勢願望 志賀直哉/母からの逃走 牧野信一/歪んだ足つきの詩人 萩原朔太郎/黄金仮面の王 矢野目源一}
III {ピュグマリオンの走法 坂ロ安吾/壺中天奇聞 稲垣足穂/南瓜の馬車が迎えに来るまで 吉行淳之介/吉岡実のための覚え書 吉岡実/メートル原器のある庭園 澁澤龍彦}
何もない場所(あとがきにかえて)
初出誌一覧
【10 パラケルススの世界】P118上角裁断ミス
“放浪と奇行の錬金術師
宇宙を生命を持つ一つの有機体としてとらえ、デカルトやカントの思想的源泉となり、またゲーテやシェイクスピアの精神的土壌ともなって人文主義に道を拓いた近代医学の父パラケルススの栄光と悲惨の生涯。”(帯文)

目次:
第一章 悪魔の橋/第二章 錬金術師の町/第三章 フェラーラ遊学/第四章 大遍歴時代/第五章 聖杯探求の騎士/第六章 魔術師伝説/第七章 騎士と死と悪魔/第八章 神の助手/第九章 吃りのもぐり司祭/第十章 バーゼル大学事件/第十一章 バーゼルその後/第十二章 梅毒と癒瘡木と金銭/第十三章 孤独な予言者 医術の四つの柱/第十五章 ペストと想像力/第十六章 影の騎士団/第十七章 天上への帰郷/第十八章 老いたる闘士/第十九章 晩年の肖像/第二十章 死者の遍在}
パラケルスス年譜
密者の旅(あとがきにかえて)
初出誌一覧
〈文献について〉
人名索引