1998年 四六判 P354+索引P7 帯少スレ、角折れ跡 カバー少スレ、少ヤケ、端少イタミ ページ数ヶ所僅開きグセ
“メグレやポアロのユートピアへ―
探偵小説の社会学”(帯背文)
“文学かゲームか、多義的な世界を解読
ポー以来1世紀半の歴史を有する探偵小説は、近代人の〈存在の不確定性〉を土壌とするモダンの文化である。 謎と疑い、手がかりと捜査のエクリチュールの問題性と可能性、またその深層に潜む現代的な〈オイディプス神話〉を透視する、注目の文化記号論的・ 文学制度論的考察。”(帯文)
目次:
まえがき
凡例
【第I部 歴史の統一性】
第一章 ジャンルの誕生
派生の一事例
自由主義的資本主義から写真へ
象徴的ジャンル
第二章 裁判小説対芸術小説
共時性から……
……越境作用へ
エピソード・ガボリオ
第三章 近代的なるもの(ル・モデルヌ)の出現
最新のジャンル
生成的定型
最後のジャンル
アイデンティティの危機
第四章 ジャンルの法則
従属的ジャンル
中間的文学
専門化による自閉
二重のテクスト
最先端のジャンル
【第II部 形式の二面性】
第五章 登場人物のシステム
解明=発見図式の四角形
役回りの象徴性
第六章 コードとの戯れ
職業倫理からの逸脱
道徳的逸脱
ジャンルの規則からの逸脱
第七章 疑いのエクリチュール
現実効果
手がかり
疑いの効果
第三のタイプの手がかり
第八章 謎から秘密へ
謎解きの欺瞞
欲望とその欠落
秘密の深み
【第III部 三つのユートピアと一つのコンプレックス】
第九章 ルールタビーユのユートピア
亀裂と破綻
中心的メタファー
心理的事件から社会的事件へ
第十章 メグレのユートピア
社会的矛盾
危機にある捜査
社会の分析器
障壁と水準
第十一章 ジャプリゾにおけるユートピア
アイデンテ ィティの危機
オイディプスの軌跡
都市の中のヒロイン
アノミーに抗するユートピア
第十二章 オイディプスを王とするジャンル
探偵オイディプス
殺人者オイディプス
栄えある犠牲者オイディプス
結論
原注
訳注
読まれるべき、あるいは再読されるべき作品
参考文献
訳者あとがき
人名・作品名索引