定本（一〜五章）、六章、七章、八章、九章の五冊　1976年6刷・81年1刷・84年1刷・86年1刷・95年1刷　Ａ５判　P452、91、151、65、65　各巻帯付（定本〜七章背少ヤケ、少イタミ）　函背少ヤケ　定本巻のみ本体セロハンカバー付（角少破れ）

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1946年から95年までの50年間、埴谷雄高が中断を挟みながらも書き続け、第九章までの未完で終わった形而上小説の大作。

【定本】
“二十世紀の闇に光芒を放つわが国初の形而上小説。待望の〈幻の四章〉を含め、全五章ここに定本となる。”（帯文）

目次：
自序
新版への自序
最新版への自序
一章　癲狂院にて
二章　《死の理論》
三章　屋根裏部屋
四章　霧の中で
五章　夢魔の世界

【六章　《愁いの王》】
“現代文学の前衛としてひた走る期待作の六章《愁いの王》。フィナーレを暗示しつつ、第二幕が降りる。”（帯文）

【七章　《最後の審判》】
“つかのまの生しか持ち得ぬ人間が宇宙の「無限大」と果たして拮抗し得るや否や、という文学の窮極の飛翔性がここに示される。”（帯文）

【八章　《月光のなかで》】
“一種詩的な月光の奥に生と宇宙の謎を携えた「無限大種族」の内面が朧ろに覗かれ、まさにそこから逆に、新しい悲劇の開示が予覚される。”（帯文）

【九章　《虚体》論―大宇宙の夢】
“心の広大無辺性の上を三段飛びし得るのが、近代における世界文学の内実であって、それをさらに超出するのが、現代世界文学の運命である。”（帯文）