昭和56年 四六判 P286 カバー少汚れ
“本書は、悠久の時間と広大な自然に育くまれたインド神話の世界を原典から平易に示した初の紹介書である。
ヴェーダ聖典中の神々と神話から説きおこし、さらに神と悪魔が竜を引き合って太陽と月、女神を産む「大海の攪拌」、雨を降らせるため天女が仙人を誘感する「一角仙人の伝説」などヒンドゥー教の神話と伝説を『マハーバーラタ』 より紹介し、「ヴィシュヌ神話」「クリシュナ伝説」をも併せて収録して、壮大な神々の叙事詩を体系的に整理している。
インド思想、サンスクリット交学はもとより、比較神話学の基本テキストとしても好適の必読書である。”(帯文)
目次:
まえがき
【第一章 ヴェーダの神話】
一 ヴェーダ文献について
二 リグ・ヴェーダの神々
三 リグ・ヴェーダの創造神話
四 ブラーフマナの創造神話
五 ブラーフマナの神話
{(一)洪水伝説/(二)天女ウルヴァシー/(三)山の翼を切ったインドラ(四)三都を破壊するシヴァ}
【第二章 叙事詩の神話】
第一話 大海の攪拌と甘露
第二話 竜を食うガルダ鳥
第三話 金剛杵の由来
第四話 海水を飲みほしたアガスティヤ仙
第五話 ガンジスの降下
第六話 インドラの復権
第七話 ヴァシシタとヴィシュヴァーミトラ
第八話 南十字星になった王
第九話 シャクンタラー物語
第一〇話 天女ランバー
第一一話 天女ティローッタマー
第一二話 一角仙人の伝説
第一三話 チャヴァナの回春
第一四話 生命を妻に与えたルル
第一五話 海中火の伝説
第一六話 シビ王の捨身
第一七話 長寿の亀
第一八話 蛙の奥方
第一九話 毘沙門天と羅利王
第二〇話 スカンダ(韋駄天)の誕生
第二一話 シヴァとパールヴァティー
【第三章 ヴィシュヌ神話】
一 梵天がヴィシュスの臍から生じたこと
二 北極星となったドゥルヴァ
三 ヴィシュヌの化身(アヴァターラ)
{(一)猪となったヴィシュヌ/(二)人獅子となったヴィシュヌ/(三)亀となったヴィシュヌ/(四)朱儒となったヴィシュヌ/(五)魚となったヴィシュヌ/(六)ラーマとなったヴィシュヌ/(七)パラシュラーマとなったヴィシュヌ/(八)クリシュナとなったヴィシュヌ/(九)ブッダとなったヴィシュヌ/(一〇)カルキとなったヴィシュヌ}
【第四章 クリシュナ伝説】
(一)ヴィシュヌ神の降臨/(二)クリシュナの誕生/(三)幼児クリシュナ/(四)クリシュナの少年時代/(五)カーリヤ竜を退治する/(六)牧女たちの衣服を奪う/(七)ゴーヴァルダナ山を持ち上げる/(八)カンサの珠殺/(九)クリシュナの結婚 (一〇)プラデュムナ}
参考文献
事項索引
神名・人名索引