2009年 文庫判 P317 帯付 カバー僅イタミ P3〜36にかけて薄く鉛筆引線消し
“日本人の民間信仰に深く浸透していた「不浄」の観念とは?”(帯文)
“民間信仰において、ケガレを祓う儀礼は頻繁に多様な形で行われていた。人間の不幸は、ケガレ=不浄に原因があると考えられ、生活の隅々にまでその指標が浸透していたのである。死=黒不浄、出産・月経=赤不浄、罪や病、境界・峠という空間等、様々な民俗事例にあらわれたケガレ観念の諸相を丹念に追い、信仰行為の背後にあるものを明らかにする。”(カバー裏紹介文)
目次:
学術文庫版まえがき
はじめに
第一章 「ケガレ」観念をめぐる論議とその重要性
{民間信仰におけるケガレの観念の重要性/松平斉光におけるケガレ論/柳田国男におけるケガレ論/最近のケガレ論―桜井・薗田・宮田におけるケガレ論/岡田重精のイミの研究/波平のケガレ論}
第二章 民間信仰におけるケガレ観念の諸相 ―黒不浄・赤不浄・その他
第一節 死に係わるケガレ―黒不浄
{死の異常性/死のケガレと危険―死が招く魔もの/清め―ケガレに対抗する防衛力/死のケガレと飢餓/イザナギの黄泉国訪問と死のケガレ/神と死のケガレ/仏教と死のケガレ}
第二節 出産・月経とケガレ―赤不浄
{死と再生とケガレ観/若狭湾岸における出産と月経のケガレ観/月経小屋および産小屋の問題/南西諸島における出産と月経をめぐる信仰/死のケガレと出産・月経のケガレ/月経をめぐるその他の問題}
第三節 罪とケガレ・病とケガレ・その他
{罪とケガレ/罪・ケガレ祓いと動物供犠/食肉とケガレ/病気とケガレ/職業とケガレ}
第四節 火とケガレ
{通過儀礼における火の儀礼的意味/制御されない火/破壊の火と再生の火}
第三章 空間と時間とにおけるハレ・ケ・ケガレの観念
第一節 空間の認識におけるハレ・ケ・ケガレ
{三辻・四辻・峠・境/「意味づけされた」空間とケガレ/周辺的空間とケガレの観念/異界とケガレの観念}
第二節 時間の認識におけるハレ・ケ・ケガレと年中行事再考
{特別に意味づけされた時間/ケガレの時間とその推移/ハレの時間とその設定/年中行事とハレの時間/継承・循環的年中行事とハレの時間/境の時間とケガレの観念}
第四章 「災因論」としてのケガレ観念と儀礼
{災いの原因の説明としてのケガレ/「災因論」としてのケガレ観念の多様性/メアリー・ダグラスにおける不浄と危険の理論}
引用文献