昭和56年　四六判　P254　函カバー少スレ　本体セロハンカバー端少イタミ　月報付

“日常世界のひそかな崩壊、憤出する悪夢・幻想・狂気―短篇の名手コルタサルが、実験的手法と文体を駆使し、輝く啓示的至高点を求めんとする、傑作中・短篇集！”（函カバー紹介文）

“ボルヘスと並ぶ、アルゼンチンの代表的幻想作家フリオ・コルタサルは一九一四年ブリュッセルに生まれた。
少年の頃から英・米・仏の古典文学、さらにはシュルレアリストらの作品を愛読した彼は、一九五一年渡仏後、前衛的手法と文体を駆使した問題作を次々発表し、なかでも衝撃的実験作『石蹴り遊び』〈一九六三年〉により、一躍ラテンアメリカ文学の代表的作家として注目される。
純朴な老女中の眼に映る、頽廃したホモ・セクシャルの世界を活写した「女中勤め」、チャーリー・パーカーの悲劇的生涯に材をとった佳篇「追い求める男」等を収めた本書は、崩壊する日常世界を突き破って憤出する悪夢・幻想・狂気を描き、その彼岸に輝く啓示的至高点を求めんとするコルタサルの、傑作中・短篇集である。”（函カバー裏紹介文）

目次：
母の手紙
女中勤め
悪魔の涎
追い求める男
秘密の武器

コルタサルと『秘密の武器』（木村榮一）