昭和54年2刷 四六判 P251 函カバー少イタミ 本体セロハンカバー端少イタミ 月報付
“ボルヘスは一八九九年、アルゼンチンのブエノスアイレスに生まれた。西欧の前衛的芸術運動の嵐の中で、ケンブリッジに学び、帰国後、《ウルトライスモ》を標榜しながら詩、小説、批評、翻訳と全ゆる種類の文筆活動を続けている。というよりも彼にあってはジャンルの区別そのものが無意味であり、その全作品にみられる言語への深い関心によって彼は、今日の文学の動向に深く結びついている。
それ以上に彼は今日最大の文学者の一人であり、言語と小説的ディスクールの構造の極限において書かれたその作品は現代幻想文学の極北である。
ボルヘスが一九六〇年、愛惜をこめて紡ぎあげた本書は、彼自身が最も愛する代表的詩文集である。”(函カバー裏紹介文)
目次:
レオポルド・ルゴーネスに捧げる/創造者/Dreamtigers ―夢の虎/ある会話についての会話/爪/覆われた鏡/Argumentum ornithologicum ―鳥類学的推論/捕えられた男/まねごと/デリア・エレーナ・サン・マルコ/死者たちの会話/陰謀/一つの問題/黄色い薔薇/証人/マルティン・フィエロ/変化/セルバンテスとドン・キホーテの寓話/天国篇、第三十一歌、一〇八行/王宮の寓話/Everything and nothing ―全と無/ラグナレク/地獄篇、第一歌、三二行/ボルヘスとわたし
天恵の歌/砂時計/象徴/鏡/エルビラ・デ・アルベアル/スサナ・ソーカ/月/雨/クロムウェル将軍麾下の一大尉の肖像に/ある老詩人に捧げる/別の虎/Blind Pew ―盲のピュー/一八九〇年代のある亡霊について/フランシスコ・ボルヘス大佐(一八三五―七四)の死を偲んで/A・Rを悼みて/ボルジェス一族/ルイース・デ・カモンイスに捧げる/一九二〇年代/アリオストとアラビア人たち/アングロ・サクソン語の文法研究を始めるに際して/ルカス伝、三十三章/アドロゲ/詩法/博物館 (・学問の厳密さについて ・四行詩 ・限界 ・詩人その名声を告白する ・寛大なる適 ・Le regret d'Heraclite ―ヘーラクレイトスの後悔 ・J・F・Kを悼みて)/エピローグ
『創造者』について(鼓直)
月報:虔みて呪う南柯のまぼろし 『世界幻想文学大系』のために(荒俣宏)/ボルヘスの顔(狩々博士)/日々の泡―編集ノート/刊行のことば(国書刊行会)