平成11年 11.0×16.7 P454 カバー背ヤケ、僅汚れ P137〜144薄く折れ跡
天文22年(1553)成立の説話集(写本)を活字翻刻。歴史上の逸話や奇談、風説などを収める。
付篇「ゑんぎ長者物語」は、天竺毘離国の円祇長者と四人の子にまつわる仏教説話。巻末解説によれば、もともと承応2年(1653)に京で刊行された『愛宕地蔵之物語』(西田加兵衛刊)を、延宝年間(1673〜80)頃に改刻したものと推測される。原文を活字翻刻するとともに挿絵部分の影印を付す。
目次:
一 天文雑説 写本十二巻十二冊
巻一 {嵯峨釈迦如来事 付古寺住物事/洋中有不思議事/牢人於北山述懐物語事/尊円親王北条家御諌事/東寺三号之事/鴻臚館之事/竹生嶋失火事 付老武手柄事}
巻二 {摂州箕面山 并勝尾寺事/老狐扣人之門戸事/阿州鳴戸事/|浦上某物語事/南都臆病者事/都良香奇異事/依曲智役災事 付猿田彦事/犬追物事/俊ジョウ《艸かんむりの下に仍》上人事}
巻三 {大納言資明春遊之事/室町殿家被尋記録事/於有馬海道農人益語事/或桑門詣北野拾感状事/於東山辻堂商人物語事/室町殿家御実名被贈他家事}
巻四 {城北小野由来之事/天王寺未来記之事/大内介被勧酒家僕事/今古軍士働急緩事/不肖者可自書事/遁世者懺悔物語事/今川伊予入道鷹狩停止事/細川家僕鑓稽古事}
巻五 {浄土僧乗火車事/武衛義将家人高名事/室町殿家御仏事之事/塩梅事/有栖川小倉等事/赤松入道円心与禅僧利口法問之事/青侍文盲物語事/熊谷法師事/黄門章長物語事}
巻六 {彗客星 付大明人物語事/枡魚事/大渡浮嶋社事/僧正谷事/|禅僧癘疾事/三条殿尹房公金言 付九輪釜事/平清盛瑞夢事/吏部敦光朝臣事/最明事時頼事}
巻七 {津田左近太夫自宗不審事/宗祇法師狂句之事/同人三穂松原一見事/五銖銭事/和国天竺物語事/世尊寺某額之事}
巻八 {左大臣実宣公与一向僧談笑事/|昔武士文言美敷事/善相公奉諫書於聖廟事/妙法院殿公家招請事/依酒興害人事/|妙音院師長公琵琶事/赤松律師兵書事}
巻九 {高師直不義之事/|普光院殿御事/軍中博奕事/或人行不思議孝養事/絶海沙門事/或人望伊勢物語講尺事/釣舟翁之事/藤黄門雑談事/|空也上人救師氏事}
巻十 {大心院政元漁遊事/元興寺明詮事 付楠正成動東大寺鐘事/待賢門院御所失物 付聖廟御慈憐事/源空上人夢想事/信尊法眼八幡宮参詣事/飼狼而被喰我子事/神宮御宝前禁僧尼事}
巻十一 {茶芸之人物語事/河州高安神木配分 付落首事/善法寺法印奴婢密通事/奥州田谷窟 并西光寺事/|継木秘伝事/商人栄枯事}
巻十二 {尊氏公御時落書 付薬師堂事/権大納言康親事/享徳之政条数事/|関東鶴岡八幡宮事/或人記実盛事/舎利菩薩事}
二 ゑんぎ長者物語 版本上中下巻三冊
解説