1977年初版　四六判　P300　函背から端にかけてヤケ

“世界は複雑であるよりもまえに充実しているのだと言い、哲学はみずからの揺籃期の構想に戻るべきだと明言していた人―それについては本文中に見られるであろう―が立っているのは、話題がモネのことであれシャガールのことであれ、バルザックのことえであれエリュアールのことであれ、貝殻のことであれ紐の結び目のことであれ、つねに夢想と反省的思考とのつなぎ目、その交点なのである。”（刊行者のはしがきより）

“本書はそれぞれ異なる時期にさまざまの雑誌や単行本に発表されたエッセー類を、バシュラールの死後に余人の手によってまとめたものであるが、すでに大部分邦訳されているこの哲学者の代表的な著作とはまた別の興味のあるものであろう。”（訳者あとがきより）

目次：
刊行者のはしがき

第一部　美術
　睡蓮あるいは夏の夜明けの驚異／シャガール『聖書』序説／光の始原／元素に促される画家／シモン・セガル／彫刻家アンリ・ド・ヴァロキエ―人とその運命／鉄の宇宙／ある物質の夢想／マルクーシスの作品における占いと視線／物質と手／風景の力学序説／アルベール・フロコンの『たがね論』／空中楼閣

第二部　文学
　『セラフィータ』／『ゴードン・ピムの冒険』／子供ランボー／マラルメの夢想の力学的弁証法／Ｖ＝Ｅ・ミシュレ／ポール・エリュアールの詩における胚芽と道理／文学言語の心理学・ジャン・ポーラン／『物の世界』

第三部　夢想
　夢の空間／仮面／夢想とラジオ／詩的瞬間と形而上学的瞬間／人間の日記断章

原註
訳註
初出一覧
訳者あとがき