2011年 A5判 P223 帯付 カバー上端僅イタミ 裏遊び紙剥がし跡
第一編では稲荷信仰の形態を神道的、仏教的、民俗的の三種に大別し、それらの歴史、特徴、行事などについて考察。また荼吉尼天像の形態、於岩稲荷、狐をめぐる俗信、狐伝承と古典芸能との関わりなどにも言及する。
第二編は伏見稲荷の諸行事とその歴史をとりあげる。
目次:
序にかえて
【第一編 稲荷信仰の諸相】
はじめに
第一章 現代社会における稲荷社の祭祀形態
1 神道的稲荷信仰
2 仏教的稲荷信仰
3 民俗的稲荷信仰
第二章 伏見稲荷の荼吉尼天信仰
1 伏見稲荷本願所と荼吉尼天信仰
2 絵画史料から見る仏教的稲荷信仰
第三章 五穀豊穣祈願に関わる伏見稲荷大社の宗教行事
1 大山祭
2 奉社祭
3 初午祭
4 水口播種祭・田植祭・抜穂祭
5 火焚祭
6 新嘗祭
7 注連縄張り神事
第四章 生業守護と屋敷神稲荷
1 寺鎮守の福徳稲荷社と雌雄狐の霊
2 芝居小屋の屋敷神稲荷と大部屋の稲荷町
3 武家の田宮家の屋敷神稲荷と於岩稲荷
4 刀鍛冶小鍛冶宗近の屋敷神稲荷と能「小鍛冶」の演出
第五章 民間における初午行事とその習俗
1 古の初午行事と神迎え・山遊び
2 民俗行事から見た初午の習俗
第六章 僧侶変化型狐伝承を付随する白蔵主稲荷社と狂言「釣狐」の演出
1 変化型狐伝承と古典芸能
2 白蔵主稲荷社の祭祀由来
3 狂言「釣狐」の狐変化の演出
4 揚げ鼠と仏教的稲荷信仰の供物
第七章 狐と御霊
1 狐に対する宗教観念
2 狐落しの修法
おわりに
【第二編 伏見稲荷大社の稲荷祭の諸行事とその歴史的変遷過程】
はじめに
第一章 稲荷祭の神幸祭とその諸行事
1 稲荷祭の前に行われる菜花祭と忌刺の行事
2 稲荷祭の神幸祭
3 近世後期における稲荷祭りの山鉾
第二章 稲荷祭のお旅所における神事と諸行事
1 お旅所の飾り付けと神事
2 お旅所での湯立
3 氏子のお旅所参詣と稲荷五社神輿の氏子巡行
第三章 稲荷祭の還幸祭にともなう諸行事
1 伏見稲荷大社の還幸祭本殿神事
2 お旅所出発
3 神供(中門の供御の儀)
4 史料上における稲荷祭りの還幸祭
5 還幸祭の順路
6 還幸祭における伏見稲荷大社の本殿祭
第四章 稲荷祭りにみられる東寺と伏見稲荷の関わり
1 伏見稲荷と弘法大師伝承
2 稲荷山修験と伏見稲荷本願所の愛染寺
おわりに
参考文献一覧
あとがき