1993年 四六判 P262 帯・カバー少スレ、僅イタミ 小口からページ端にかけて少ヤケ
映倫設立以降の、映画における性表現とわいせつ性の議論、規制の歴史を辿る。
“芸術か、猥褻か。
翻弄され続けた映画界裏面史を検証する。”(帯文)
目次:
クランクイン ―まえがき
シーン1 映倫の設立とその背景
{題名に「接吻」も許さなかった内務省検閲/GHQによる規制と映倫の誕生/映倫に頭を抱えさせた“性典映画”の氾濫}
シーン2 映倫批判の高まりと新映倫の設立
{映倫対洋画業者の仁義なき戦い/“俗悪映画”追放運動と「成人向」の指定/新映倫の発足}
シーン3 自主規制強化と税関検査問題
{厳しさ増す映倫審査/倫理規程の改訂と「成人映画」/会でも問題となった税関カット}
シーン4 ピンク映画の登場
{警察の直接介入も招いたピンク映画の横行/邦画五社の多彩な愛欲描写群/独立プロ作品の登場とその“芸術性”}
シーン5 問題作品の増加と審査基準の強化
{本国でも問題化した衝撃のスウェーデン映画/映倫を困惑の極に陥れた武智鉄二監督/審査基準の強化と映画界の抵抗}
シーン6 「黒い雪」裁判と東映“ポルノ路線”
{全員無罪を言い渡された「黒い雪」裁判/早くも淘汰時代を迎えたピンク映画/題名に活路を求めるピンク映画と東映“ポルノ路線”}
シーン7 邦画経営危機とセックス映画の横行
{映倫を悩ませたセックス映画旋風/経営不振にあえぐ邦画各社の“背水の陣” }
シーン8 日活ロマンポルノの登場
{税関も音をあげた洋画のポルノ攻勢/安上がりな好色映画の続出/企業生き残りを賭けた日活ロマンポルノ}
シーン9 規制をめぐる映倫対当局の攻防
{性及び風俗に関する新審査基準/盛況をきわめた“ポルノ修整屋”/厳しくなったスチール、ポスターのチェック/上映中止事件と日活ロマンポルノ裁判}
シーン10 過激度エスカレートと映倫の対応
{全裸ポスターに環境庁がクレーム/日活が新たに「秘本シリーズ」/大ヒットした『エマニエル夫人』}
シーン11 ヘア解禁
{本邦初のハード・コア『愛のコリーダ』/幕を閉じた「日活ロマンポルノ」裁判/東京国際映画祭で初めて“ヘア登場”/映画史に新たなページを開く税関、映倫の規制緩和}
クランプアップ ―あとがき