1991年 A5判 P447 帯スレ、僅イタミ 地シミ汚れ ページ数ヶ所に消しゴムがけにより文字の若干薄くなった箇所あり
古代からルネサンス期まで、東西の図像をめぐる論考14篇を多数のモノクロ図版とともに収録。
前半部では鷲と蛇、怪物や幻獣・架空種族といった東方起源の図像の象徴性とその変遷、西洋への伝播と受容・解釈などを主なテーマとし、後半はルネサンス以降に西洋の図像にみられる寓意や象徴について考察する。
目次:
緒言
第一章 東と西 ―文化交流の問題
第二章 鷲と蛇
{非古典的な諸文明における象徴の伝播/ギリシアとローマ/キリスト教的な解釈/ルネサンスとバロック}
第三章 東方の驚異 ―怪物誌に関する一研究
{インドの怪物の源泉/暫時の開明/古代の遺産と中世のキリスト教的見地/絵画的伝統/教訓化された架空種族と中世の美術・文学におけるそれらの役割/前兆としての怪物と人文主義的歴史叙述/科学の曙と架空種族/民衆図像における異類異形/旅行記における驚異譚}
第四章 マルコ ポーロと〈東方の驚異〉の絵画的伝統
第五章 〈ロック〉 ―オランダ版画のなかの東方の怪物
第六章 好機・時・美徳
{好機は時の一部なり/運命は美徳の随伴者なり/美徳は運命の征服者なり}
第七章 〈忍耐〉と〈好機〉 ―ある政治的寓意の物語
{ミケランジェロとミネルベッティ枢機卿/ヴァザーリの〈忍耐〉とフェッラーラのエルコーレ二世/ジローラモ・ダ・カルピの《好機と後悔》/エルコーレ二世の邸館の「忍耐の間」}
第八章 初期ルネサンスにおける象形文字学
第九章 ルネサンスのイメージ体系におけるミネルウァの変容
{ミネルウァ・パキフィカ(平和のミネルウァ)/アルマ・ミネルウァ(慈しみのミネルウァ)/ミネルウァ・プディカ(貞潔のミネルウァ)/ミネルウァ=ウェヌス/ミネルウァ=マリア}
第十章 ティツィアーノ《スペインによって救われる信仰》
第十一章 エル・グレコの身振り言語
第十二章 マルテン・デ・フォスの画中の〈死〉と〈復活〉
第十三章 〈グラマティカ(文法)〉 ―マルティアヌス・カペラからホガースまで
第十四章 視覚的象徴の解釈
原註
訳者あとがき
索引