1992年 四六判 ソフトカバー P265+索引P11 帯およびカバー背ヤケ 天少シミ汚れ 末尾ページ上角折れ跡
“木の実が なる。
人が 集まる。
世界各地で見た100の木の実と人びとの暮らし。”(帯文)
食糧としてだけでなく、薬、香料、呪術、楽器、玩具など、木の実と人々の生活との関わりについて世界各地の例を紹介する。
目次:
はじめに
I 東アジアの旅から
{コクワ摘みとクマよけ/岩手のシタミと冬越し/自給食糧としてのクリとシタミ/北上山地のトチの実/カチグリと江戸っ子/果樹王国、山梨/やっかいもののギンナン/渋をつくるカキ/桃太郎のモモ/吉野のトチとクリ/奄美のソテツみそ/奄美・西表島のスダジイ/日本最大のドングリ、オキナワウラジロガシ/祖霊をまつるリュウキュウコクタンの実/那覇のヤマモモ売り/沖縄のパパイア/韓国のドングリ・ムック/ドングリのご飯、トトリ・パブ/男の子の誕生を祈るナツメ/マツの実と韓国の宮中料理}
II 中国から東南アジアへ
{中国の五果(1) モモ/中国の五果(2) スモモ/中国の五果(3) アンズ/中国の五果(4) ナツメ/中国の五果(5) クリ/北方のアンズと南方のウメ/滋養豊かなリュウガンとレイシ/サンザシの菓子/中国原産のキーウィ/壮族のザポン灯/タイのココヤシの実/果物の王様、ドリアン/果物の女王、マンゴスチン/庶民の味、ランブータン/ナオ人の暮らしとタマリンド}
III ネパール、インド、パキスタンの旅
{森のバター、インディアン・バター・ツリー/木になるトマト、ペピトマテ/グエの実は固めのしるし/花婿はペルノキの実/水を清めるカタカの実/マンゴーの漬物アチャール/寺院の供物、ココヤシの実/砂漠の野生の果実、カイルとペルー}
IV 西アジアから地中海へ
{砂漠のめぐみ、カフール/砂漠に生きるコビトヤシ/母木からつくられるナツメヤシ林/アラブのナツメヤシ/イスラムのコーヒーとコーヒー店/オレンジはエジプトの「ヘソ親父」}
V アフリカの各地を訪ねて
{スーダンの甘味料、デザートデーツ/ザイールのロセレの実/せっけんにも使うムバラの実/堅い殻の口コンゴの実/市場の目印、イバンダの木/塩味をもつルサクの実/森のタマネギ、モニェンゲレ/アフリカのスター・アップル、ムアンブ/ザンビアのバオバブの実/マンゴーの実を守る仮面/マセチェの実が生む新たな「伝統」/妖精がすむバオバブの木/コーラ・ナッツと王国の盛衰/葉のコーヒー/植えられなかったモンゴンゴ}
VI ヨーロッパのむらへ
{結婚式のペルシアグルミ/ゲルマンの聖なるカシの木/ドイツのハシパミ/万病薬とネズの実/秋とコケモモの実/悪霊とナナカマドの実}
VII シベリア東部からサハリンへ
{アムールの木の実(1) マンシュウグルミ/アムールの木の実(2) チェリョームハ/アムールの木の実(3) チョウセンマツ/魂のオニグルミ/甘酸っぱい果実、ハマナス}
VIII 北アメリカ大陸への旅
{冬をささえるベリー/カリフォルニア・インディアンのドングリ利用/マツの実は妊婦に食わすな/高貴な飲みもの、カカオ/酒になる木の実、モジェ}
IX アンデスからアマゾンへ
{インカ王が征服者に贈ったパカイの実/アンデスのサクランボ、カプリ/楽器のなる木/サンショウ? じつは木の実のトウガラシ/木になるヒョウタン、トゥトゥマ/体を彩色するベニノキの実/悲しき熱帯の果実、バンレイシ/アマゾンの砲丸、ブラジル、ナッツ/七万個のゴムの実/毛虫もおいしいグワモ/川の名になったミリティ/女性を妊娠させてカイモの実/クリよりうまいププニャの実/ベッタンウォの実のコマ/アマゾンの強精剤、グァラナ/コショウ園の鯉のぼり}
X オセアニアの島じまからオーストラリア大陸へ
{島の主食、パンノキ/ナット・パンダナス/ソロモン諸島のカナリウム・アーモンド/オーストラリアのパンダナス/アボリジニの伝統の味、メディアソテツのパン/カシューのナッツとアップル/主食になったブニャ・ブニャ・ナッツ}
あとがき
植物名索引