1993年 文庫判 P421+索引P12 カバー僅汚れ、背ヤケ、端イタミ 末尾ページ僅剥がし跡
“アルレッキーノが、ヘルメスが、クリシュナが天空を飛び交い、地上を跳ね回る ―狂言における太郎冠者のイメージとアルレッキーノに象徴される西欧のファルスの伝統を媒介し、あるべき知の具現者としての道化を描き出すべく、知的情熱に裏打ちされた博引旁証が交錯する。創造的混沌の世界への回帰を訴え、70年代以降の知的状況の出現を高らかに告げた山口道化学の記念碑的著作。 ”(カバー裏紹介文)
目次:
第一章 アルレッキーノの周辺
{一 コンメーディア・デラルテ『二人の主持ちのアルレッキーノ』/二 科白とマイムの意味論/三 アルレッキーノの偏在性}
第二章 アルレッキーノとヘルメス
I {一 アルレッキーノの起源論/二 アルレッキーノの民俗/三 悪霊としてのアルレッキーノ/四 中世劇の悪魔と道化/五 祝祭空間}
II {一 アルレッキーノの冥界訪問/二 アルレッキーノとヘルメス/三 人格神ヘルメス/四 豊穣霊としてのヘルメス/五 シャーマンとしてのヘルメス/六 ヘルメスの始原指向性}
III {一 アルレッキーノの象徴性/二 ルネサンスの思考空間/三 アルレッキーノの始原指向性}
第三章 アフリカ文化と道化
I {一 社会構造と道化的行為/二 演劇的行為としての「ジョーク」/三 王権と道化/四 道化的知の空間}
II {一 いたずら者=文化英雄/二 擾乱者エシュ=エレグバ/三 エシュの両義性/四 「いたずら者」エシュとエロス/五 文化の中のトリックスター}
第四章 黒き英雄神クリシュナ
I {一 始原児クリシュナ神とヘーラクレース/二 クリシュナ、ヘルメス、ヘーラクレース/三 クリシュナと地母神/四 クリシュナと両性具有/五 クリシュナと劇の「生成」}
II {一 クリシュナの黒さ/二 「姉妹の息子」クリシュナ/三 クリシュナと成年式/四 クリシュナと二元論的世界観/五 トリックスターとしてのクリシュナ}
第五章 アメリカ・インディアンと道化の伝統
{一 甦るインディアン/二 道化と想像力/三 道化と禁制の侵犯/四 道化と日常世界/五 道化の反社会性}
あとがき
解説 ついにヘルメースが……(高山宏)
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索引