1995年　文庫判　P590　カバー汚れ、端イタミ、僅破れ　小口少汚れ

“19世紀のパリは現代社会の先触れである。共和国と独裁制、革命、世界経済、万国博覧会、根なし草になった人びと。第二帝政期の娯楽の王といわれたオペレッタは、市民が公共生活から遠ざかり、私的生活に引き籠るこの社会の浮薄な陶酔状態を、その生きた形姿においてもっともよく捉えた。成り上がり者ルイ・ナポレオンの第二帝政と興隆をともにしたオペレッタの創始者オッフェンバックの伝記を通してパリの生活を記述する都市の伝記。”（カバー裏紹介文）

目次：
凡例
プロローグ　時代の真っ只中に立つジャック

第一幕　七月王政の黄昏　―雌伏するジャック
　第一場　民衆を導く自由の女神
　第二場　劇場の夕べ
　第三場　オペレッタの原始世界
　第四場　レベッカ
　第五場　サロンから奏楽壇へ
　第六場　故郷なき者の故郷
　第七場　エルミニ・ダルカン
　第八場　退屈

間狂言　二月革命　―ドイツの息子に扮したジャック

第二幕　第二帝政のオペレッタ世界　―雄飛するジャック
　第一場　小さなスタートと大きなスタート
　第二場　いざ楽しめ！
　第三場　二十日間以内に
　第四場　シャンゼリゼのモーツァルト
　第五場　エヴォエー
　第六場　黄金の音楽
　第七場　二つのパラダイスの
　第八場　高級娼婦、遊蕩児、ジャーナリスト
　第九場　プルヴァール・ヨーロッパ
　第十場　民主的陶酔
　第十一場　最後の輝き
　第十二場　共和国万歳！

間狂言 パリ·コミューン　―時代遅れのジャック

第三幕　第三共和政の白けた日々　―生き残るジャック
　第一場　夢幻劇
　第二場　摩天楼　九階建て
　第三場　死との契約

エピローグ　ラテルナ・マギカ　―すべては過ぎ行く
訳者あとがき
文庫版へのあとがき