昭和49年　四六判　P188　函端僅汚れ　帯僅イタミ　本体本パライタミ

“故石田波郷の愛弟子、巴里在住十六年の作品集
東京の空を見上げながら「巴里の空は」と問うと「いつも灰色」と言下に小池さんは答えた。瞼の中の巴里の青空はハタと閉じたが、小池さんの声はいかにも涼しかった。巴里在住の十六年の歳月は、決して安らかなものでなかったにちがいないが、そのいのちの悲しみも喜びも、作品の清明な光と風となってぼくらの胸にしみとおり「巴里蕭條」をうたう。これは故国に送る著者のはるかな挨拶の一巻である。”（帯文）

目次：
序句（石田波郷）

枯園〈昭和三十三年〉
除夜〈昭和三十四年〉
花山査子〈昭和三十五年〉
夜鶯〈昭和三十六年〉
夏燕〈昭和三十七年〉
楡枯葉〈昭和三十八年〉
長夜〈昭和三十九年〉
切子〈昭和四十年〉
鳥雲に〈昭和四十一年〉
黄葉〈昭和四十二年〉
茉莉花〈昭和四十三年〉
柩〈昭和四十四年〉
丈草忌〈昭和四十五年〉
遠花火〈昭和四十六年〉
破芭蕉〈昭和四十七年〉
椿桃〈昭和四十八年〉

後記