2004年 A5判 P328 カバー少スレ、少汚れ 遊び紙少セロテープ跡
“もうここにはいない 人びとの記憶のために
写真や古着、電球やビスケット缶を用いたインスタレーションで、つねに〈名もなき者たち〉の記憶の可能性を問いつづけてきたフランスの美術家をめぐる初の本格的モノグラフィー。
21世紀の〈私たち〉の〈記憶〉は、〈モニュメント〉に託せるだろうか。”(宣伝文)
目次:
はじめに
第一章 忘却の風景
{「死体置場」/幼年期の死/「動作」の再現/遺棄される死体/記憶されざるもの}
第二章 遺品のコレクション
{粘土工作の時間/「地震計」としてのアート/空白の演出/死者の遺品のすべて/ウォーホルの『タイム・カプセル』/日常の廃墟}
第三章 喪うこと、共にあること
{「ドクメンタ5」と『資料陳列ケース』/「棄て子」としての作品/美術館と〈歴史〉の創生/真の〈生〉へのノスタルジー/『D家のアルバム』/ミッキーマウス・クラブの子供たち/中学生の肖像}
第四章 懐かしさと可愛らしさ
{共通の記憶/偽の自伝/凡庸なものの輝き/『コンポジション』シリーズ/影の誘惑}
第五章 死者のモニュメント
{死者へのオマージュ/希薄化する死/電球と電線/美化された死の終り/単語カードと死体/影とともに/生きている灰/ミニマリズムとの距離}
第六章 死を盗まれた人びとのために
{見えないモニュメント/目撃者なきデキゴト/〈像〉への意志/〈顔〉を与える/〈顔〉の崩壊/廃墟の反復/哀切さと軽さ/ホロコースト以後}
第七章 亡霊のまなざし
{『死んだスイス人』/バルト・写真・亡霊/亡霊とともに/千六百枚の写真/親探しの子供たち/遠い谺/空腹と記憶}
第八章 記憶の住み処
{『欠けた家』/アンチ・モニュメントの文法/贖罪の美学に抗して/『ロスト』シリーズ/名前の書き込み/「記念祭」と「共同遺産」の時代/八〇年代のモニュメント復活/〈写真〉から〈場所〉へ/過疎の村とボルタンスキー/ある秘密の約束}
註
参考図版一覧
ボルタンスキー略年譜
あとがき