2010年22刷、21刷 文庫判 P405、457 カバー端少イタミ
【上巻】
“「わが南方先生ばかりは、どこの隅を尋ねて見ても、これだけが世間なみというものがちょっと捜し出せそうにもない」 ―柳田国男を驚嘆させた巨人熊楠(1867-1941)が、干支の動物を俎上に古今東西の説話をふまえて語る。
その知識のパノラマも壮観なら、天衣無縫の文体もまた類を見ない。上巻には虎、兎、竜、蛇、馬の各篇を収めた。”(カバー紹介文)
目次:
虎に関する史話と伝説民俗
{(一) 名義の事/(二)虎の記載概略/(三)虎と人や他の獣との関係/(四)史話/(五)仏教譚/(六)虎に関する信念/(七)虎に関する民俗
(付)狼が人の子を育つること
(付)虎が人に方術を教えた事}
兎に関する民俗と伝説
(付)兎と亀との話
田原藤太竜宮入りの話
{話の本文/竜とは何ぞ/竜の起原と発達/竜の起原と発達(続き)/本話の出処系統}
蛇に関する民俗と伝説
{名義/産地/身の大きさ/蛇の特質/蛇と方術/蛇の魅力/蛇と財宝/異様なる蛇ども/蛇の足/蛇の変化/蛇の効用}
(付)邪視について
(付)邪視という語が早く用いられた一例
馬に関する民俗と伝説
{伝説一/伝説二/名称/種類/性質/心理/民俗(1)/民俗(2)/民俗(3)}
(付)白馬節会について
【下巻】
“犬と猫はなぜ仲が悪いのか。人や他の動物の寿命はどのように決まったか。猪と蝮の関係は? ……それからそれへと興味つきない話の数々。
一見,好事趣味の暇つぶしのようだが、古い文化の探究と歴史解釈への有用な道具であり,細分化された学問にはない全人性と健康が感じられる。下巻には羊、猴、鶏、犬、猪、鼠の各篇を収録。(解説=宮田登)}”(帯文)
目次:
羊に関する民俗と伝説
猴に関する伝説
{(一)概言/(二)性質/(三)民俗}
鶏に関する伝説
{概説}
犬に関する伝説
猪に関する民俗と伝説
鼠に関する民俗と信念
解説(宮田登)