昭和56年 A5変型判(13.1×21.0) ソフトカバー カバースレ、クスミ、イタミ 小口ヤケ、汚れ 遊び紙少剥がし跡、折れ跡 扉ページ時代シミ多
目次:
はじめに
第一章 漫画と笑い
漫画の絵とはなんぞや…… ―かんたんながらの歴史
風刺とナンセンスと日常 ―デフォルメの方法論
御伽の国の道化達 ―戦前の児童漫画にふれて
ゲラゲラ劇場の演目 ―のらくろ・タンクローのユーモア
ほのぼののあけぼの ―愉快な漫画出版のあらまし
野球と少年と民主主義 ―パット君の広場の日常
第二章 笑う少年達
コマ漫画の時代 ―キャラクターの重要性
少年共和国のはみだし者 ―馬場のぼるのユーモア
ナンセンスドライスクリーン ―手塚治虫とギャグ
奇怪奇天烈摩訶不思議世界 ―杉浦しげるシュルレアリスムナンセンス
漫画からマンガへ ―少年娯楽の誕生の時
第三章 笑われる少年達
だじゃれいずむとあざけり ―山根一二三のふとっちょ少年
ブリキ細工のハーレクイン! ―ロボット三等兵の落語的面白さ
少年道化舞台に昇る ―弱者or強者・よたろう君
マンガはマンガである ―マンガの能天気さとでたらめさ
第四章 横町解放区の少年達
横町解放区の歳時記 ―一年は十二か月
夢の少年王国への回路 ―ピカドンくんと台風ぼうや
家庭内少年達の可愛らしさ ―わちさんぺいと藤木輝美
夢見る日常 ―ポテト大将探偵す
トキワ荘の侵攻開始 ―ナマちゃんとテレビ小僧
生活ユーモアマンガのかげり ―単行本界と週刊誌の動向
第五章 ギャグの方法論
おそ松君だよ! ―ギャグマンガの方法論
奇妙な横町の奇妙な人々 ―赤塚マンガは笑いを情報とした
勇一君コメディす! ―ストーリーマンガ的笑い
貸本劇画界とコメディ ―水島新司と青春コメディ
丸出ダメ夫のギャグ生活 ―森田拳次ギャグの展開
第六章 ナンセンスorコメディ
オバQ広場に集まれ! ―日常と異常の出会い
イキガリとドジ ―ブラック団はコメディトリオ
演技の舞台裏 ―パットマンXと少年道化
パロディックなマンガ体験 ―永井豪のアナキズム
月刊誌から週刊誌へ ―過渡期のギャグマンガ状況
第七章 ギャグ実践論・矛盾論
七○年劇画の時代 ―ギャグとしての「ねじ式」
赤塚ギャグ疾走中! ―コマを抜け出てワンダーランド
タブーへの挑戦 ―スカトロジーとSMショー
マンガ世代作家続々の登場 ―新たな笑いを求めて……
かつての少年達は今 ―青年達の生活とコメディ
第八章 日常と肉体と
喜劇新思想体系への道! ―山上たつひこの助走
ナンセンスの果てに ―赤塚ギャグの失速
がきデカショック ―日常の中の怪物
恐怖のガクランヒーロー ―青田赤道の狂暴性
笑いと遊びのカタログ ―まことちゃんの日常性
第九章 ポップンロールバラエティショー
冗談を生きる男達 ―波目君のまなざしの行方
混乱のロックショー! ―マカロニ軍団大暴れ
ざーとらしさとおもろかしさ ―目立ちたがりのパイレーツ
軟弱なる日常 ―ラブコメと美少女達
パロディとデフォルメ ―疑似体験と原体験
マンガ面白かわら版 ―いしいひさいち日常への侵略
道化としてのマンガの日常 ―吾妻ひでおと不条理
日常のファッショとファッション ―ラムちゃんとアラレちゃん
第十章 マンガの笑い
笑いに関する考察 ―古今の笑いの理論にふれて
記号と認識 ―情報としての記号体系
コメディの構造 ―マンガの文脈の中で
意味の無意味 ―記号の自立の敗北
具体性へ向けて ―言語体系からの脱出行
笑いの現在 ―日常のファシズム
あとがき
戦後ギャグマンガ史年表