1998年　A５判　P345　帯端少破れ、背ヤケ大　函少スレ、背少ヤケ

1902年から37年にかけてさまざまな執筆者が発表した生贄と人柱に関する研究、考察、資料などを収録。

“南方熊楠・柳田國男・中山太郎の人柱論
大正14年（1925）皇居（江戸城）二重櫓の下から多数の白骨死体が発掘され、にわかに「人柱」論争が巻き起こった。南方熊楠・柳田國男・中山太郎といった強烈な個性で知られる民俗学者の「人柱論」をとおして日本文化の基層を探る。
生贄と人柱に関する貴重な研究・資料を収集し、人間存在の実相・本質に迫る資料集。”（帯文）

目次：
歴史民俗学資料叢書の発刊にあたって

【解説篇】
柳田、中山の確執と人柱論
　｛中山太郎という民俗学者／柳田國男と中山太郎の確執／柳田と中山を比較する／中山太郎のユニークさ／師弟としての柳田・中山／「南方随筆」跋文事件／南方熊楠の度量／オナリ伝説をめぐって／なぜ中山は文献名を明示しなかったのか／なぜ柳田は着想を発展させなかったのか／日本民俗学にとっての損失｝

【資料篇】
凡例
人柱に関する研究（一九〇二）（布施千造）
宗教学と仏教史（一九一一）（加藤玄智）
掛神の信仰に就て（一九一一）（柳田國男）
本邦供犠思想の発達に及ぼせる仏教の影響を論じて柳田君に質す（一九一一〜一二）
人柱伝説〈『日本伝説集』より〉（一九一三）（高木敏雄）
人身御供論（序論）（一九一三）（高木敏雄）
一つ目小僧（一九一七）（久米長目）
松童神（一九一七）（桂鷺北）
松浦小夜姫（一九一七）（榎本御杖）
人身御供（一九一八）（ジェームス・ビー・スミレー　訳：三上義夫）
農に関する土俗（一九一八）（柳田國男）
人柱の話（一九二五）（南方熊楠）
二重櫓下人骨に絡はる経緯（一九二五）（中央史壇編輯部）
人身御供と人柱（一九二五）（喜田貞吉）
人身御供の資料としての『おなり女』伝説（一九二五）（中山太郎）
上代に於ける殉葬の風について（一九二五）（後藤守一）
動物を犠牲にする土俗（一九二五）（駒込林二）
尾張国府宮の直会祭を中心として見たる人身御供及び人柱（一九二五）（加藤玄智）
松王健児の物語（一九二七）（柳田國男）
人柱と松浦佐用媛（一九二七）（柳田國男）
人身御供考〈『変態風俗の研究』より〉（一九二七）（田中香涯）
イケニエ〈『大百科事典』より〉（一九三一）（守田有秋）
埴輪の原始型態と民俗（一九三二）（中山太郎）
裸祭りと人身御供の話（一九三四）（木曽恵吉）
人身御供とシトミゴク（一九三七）（田村吉永）
天香山神社に残れる『ゴータク』歌（一九三七）（松田定一）
講談本に登場する『人身御供』は存在（一九三七）（歴史公論編集部）

あとがき