昭和59年28刷　B６判　P262　カバー僅汚れ、端少イタミ　小口およびページヤケ、時代シミ多　P80・81の間僅開きグセ

挿絵：岩井泰三

“この物語は、わたしがまえに、「黒蜥蜴」という題で書いた小説を、こんど新しくみなさんにむくように、すっかり書きなおしたものです。れいによって、おなじみの名探偵明智小五郎が大活躍をしますが、今回のあいてはめずらしく女の大どろぼうなのです。
黒トカゲと名のるこの女賊は、すばらしいちえをもっていて、そのうえ大たんきわまりなく、思いもよらないきばつな方法で、美しい少女を誘拐してしまいます。
明智探偵は、この事件にたちあがり、怪盗にたたかいをいどみます。どんなすばらしいちえでも、悪は正義には勝てません。美しい女賊は、ついにいたましい最期をとげてしまいます。このちえのたたかいが、この物語の中心ですから、そこをよくあじわってお読みになっていただきたいと思います。”（本書「はじめに」）

小説「黒蜥蜴」を児童向けに書き直したもの。

目次：
奇妙なかげ／誘拐の予告状／にせ令嬢／怪盗対名探偵／人形の首／勝敗逆転！／女賊の笑い／巧妙な逃走／さまよう少女／ふしぎな仕事／しのびよる魔の手／消え去った令嬢／人間いす／『エジプトの星』／塔上の会見／追うもの追われるもの／川岸の水音／ゆうれいの声／大捜索／海底のもくずに／やみ夜の埋立地／奇怪な美術館／恐怖の水族館／異変また異変！／信じられない事実／ふたりの山川／名探偵の勝利／うごめくトガケ